本場の作り方で!キムチチャーハンのレシピ|プロの味に近づけるコツ
本場の作り方で!キムチチャーハンのレシピ|プロの味に近づけるコツ
「家で作るキムチチャーハンが、韓国で食べたあの味にならない」そう感じたことはありませんか。
わたしは韓国の大学に通いながら、日本でも韓国でも何度かキムチチャーハンを作ってきました。
同じ材料、同じ手順のつもりでも、日本の自宅で作るとどこか物足りない仕上がりになることがよくあります。
コクが足りない、パンチがない、なんとなく味がぼやける。そんなモヤモヤを抱えている方は、意外と多いのではないでしょうか。
実はこの違い、腕前の問題ではありません。使うキムチの種類と、炒める工程の順番に理由があります。
この記事では、日本の家庭でも本場に近い味を再現するための材料選びと作り方のコツを紹介します。
なぜ日本のキムチチャーハンは「本場の味」になりにくいのか

引用元:pixabay
https://x.gd/vf7w5
韓国のキムチと日本のキムチ、実は原料からして別物
韓国で食べるキムチと、日本のスーパーで買うキムチ。
見た目は似ていても、実は中身はまったくの別物です。
世界キムチ研究所(韓国・科学技術情報通信部傘下の公的研究機関)による調査があります。
この調査によると、韓国産キムチの多くは、乳酸菌による自然発酵が進んでいるとされています。
一方、日本産キムチの多くは、発酵をほとんど経ずに作られています。その代わりに使われるのが、果汁やソルビトール、砂糖などの甘み成分です。
これらを加えることで、発酵させなくても「熟成したような風味」を補っているのです。
つまり日本のキムチの多くは、発酵が進んだキムチというより、「調味料で味付けした浅漬け」に近いものだといえます。
発酵の目安になるのが、pHの数値です。
浅漬けタイプはpH5台前半とやや高めで、しっかり発酵させたキムチは4台前半から3台後半まで下がるとされています。
一般に、数値が低いほど酸味が強く、発酵が進んでいる目安になります。
酸味・辛味・うま味の違い|日本のキムチは甘みが出やすい
世界キムチ研究所の官能評価(実際に味を確かめるテスト)でも、興味深い結果が出ています。
日本産キムチは酸味と辛味が控えめで、甘みが際立つ傾向があるというのです。
これは、先ほどの甘み成分の添加と、発酵不足による酸味の弱さが影響していると考えられます。
チャーハンにすると、この違いはさらにはっきり出ます。
本場のキムチチャーハンは、キムチの酸味と辛味が油と絡み合うことでコクが生まれます。
日本のキムチは酸味が弱いため、炒めても「甘辛いだけ」の仕上がりになりやすいのです。
わたしが日本の自宅で作ると、どこかパンチが足りないと感じていたのですが、理由はここにあったのだと、今なら納得できます。
対策:本場の味に近づけるキムチの選び方
このコクの差を埋める第一歩は、キムチ選びです。
韓国に住んでいたころは、市場やスーパーで「신김치(よく熟成したキムチ)」をよく買っていました。
浅漬けタイプより酸味が強く、炒めると味がぐっと締まります。日本で本場に近づけたいときも、考え方は同じです。
選ぶときは、次のポイントを意識してみてください。
・原材料がシンプル(唐辛子・にんにく・塩辛・魚醤中心)
・パッケージに「熟成」「乳酸発酵」の記載がある
・韓国産、または韓国式製法のものを選ぶ
・味見をして、酸味がしっかり感じられるもの
キムチ選びを見直すだけで、チャーハンの味は驚くほど変わります。
本場風キムチチャーハンの基本材料と下準備

引用元:pixabay
https://x.gd/VtwKo
材料リスト
まずは基本の材料をそろえましょう。特別なものは必要ありません。
・ご飯(茶碗2杯分、冷やご飯がおすすめ)
・キムチ(よく発酵した酸っぱめのもの、100g前後)
・長ねぎ(1/2本)
・豚バラ肉またはベーコン、スパムなど(50g前後)
・にんにく(1片、すりおろしまたはみじん切り)
・ごま油(大さじ1)
・しょうゆ(小さじ1)
・塩・こしょう(少々)
キムチと長ねぎさえきちんと選べば、あとの材料はほぼ家にあるもので十分です。
キムチは「よく発酵した酸っぱめ」が理想
材料の中でいちばん重要なのが、キムチそのものです。
新しいキムチより、少し時間が経って酸味が出てきたキムチのほうが向いています。
前述したとおり、韓国では漬けたてよりも「よく熟成した(신김치)」キムチをチャーハンに使うのが一般的です。
浅漬けの状態だと、炒めても酸味やうま味が引き立ちにくくなります。
反対に、しっかり発酵したキムチは、油と合わさることでコクのある香りに変わります。
ご飯は冷やご飯か、少し硬めに炊いたもの
ご飯は、炊きたてよりも冷やご飯のほうが向いています。
炊きたてのご飯は水分が多く、粒同士がくっつきやすいためです。
冷蔵庫で一晩置いたご飯は、炊きたてより表面の水分が落ち着き、粒がほぐれやすくなります。
これが、炒めたときにパラリとほぐれる理由です。
冷やご飯がない場合は、炊飯時の水をやや少なめにして、硬めに炊くのもひとつの方法です。
炊きたてを使うときは、いったん皿に広げて粗熱と水分を飛ばしてから炒め始めると失敗しにくくなります。
韓国の食堂でも、比較的硬めのごはんを使ったキムチチャーハンを見かけます。
ふっくらしたご飯では、キムチの水分と合わさってべちゃっとした仕上がりになりやすいので、注意が必要です。
プロの味に近づける作り方の手順(ねぎ油からスタート)

引用元:pixabay
https://x.gd/GA39J
最初にねぎを炒めて香りを出す「파기름(パギルム)」がポイント
本場風のキムチチャーハンには、ひとつ共通する下ごしらえがあります。
それが「파기름(パギルム=ねぎ油)」です。
フライパンに油を多めに引き、長ねぎを強火でじっくり炒めます。
ねぎの香りが油に移り、香ばしい匂いが立ち上がってきたら、この工程は完了です。
韓国の有名な料理研究家、백종원(ペク・ジョンウォン)さんのキムチチャーハンレシピでも、この手順は欠かせません。
テレビ番組やレシピサイトで紹介されるペクさんのレシピでは、長ねぎを先に強火で炒め、香りを引き出してから具材とキムチを加える流れが繰り返し紹介されています。
具材より先にねぎを炒めて香りの土台をつくることが、本場らしい味わいの分かれ目になります。
わたしが以前から「ねぎを先に炒めるのは韓国っぽいかも」と感じていたのは、あながち間違いではなかったようです。
自炊のたびに何となく続けていた習慣が、実は理にかなったやり方だったと知り、少しうれしくなりました。
豚肉やベーコンを使ったうま味の重ね方
ねぎ油ができたら、次はうま味の土台づくりです。豚バラ肉やベーコンを加え、脂が透き通るまで炒めます。
このとき大切なのは、焼き色をしっかりつけることです。
表面に軽く焦げ目がつくくらいまで炒めることで、香ばしさとコクが加わります。
にんにくを使う場合は、肉と一緒か、少し後から加えるのがおすすめです。
早い段階で入れすぎると焦げやすく、苦みが出てしまうので注意してください。
ねぎ油・肉の脂・にんにくの香り、この3つが重なることで、キムチを入れる前の段階からすでに香りに厚みが出てきます。
キムチを加えるタイミングと強火のコツ
うま味の土台ができたら、いよいよキムチを加えます。ここでも強火をキープするのがポイントです。
キムチは汁ごと加え、水分を飛ばすようにしっかり炒めます。
油と絡めながら炒めることで、酸味がまろやかになり、香りが立ってきます。
キムチの水分が少し飛んで、香ばしい匂いに変わってきたら、しょうゆを少量加えます。
しょうゆが軽く焦げるような香りが立ったら、ご飯を加えるタイミングです。
ここまでの工程を強火で一気に進めることが、家庭のフライパンでも本場に近い味を出すコツです。
弱火でだらだら炒めると、キムチの水分が出すぎてべちゃっとした仕上がりになってしまいます。
仕上げのひと工夫で本格的な一皿に

とろける半熟の目玉焼きをのせる
キムチチャーハンが完成したら、仕上げに半熟の目玉焼きをのせます。
これだけで、見た目も味もぐっと本格的になります。
黄身を軽く崩しながら食べると、辛みと酸味がまろやかになり、全体の味がまとまります。
韓国の食堂でも、目玉焼きをのせて出すお店をよく見かけました。
半熟で仕上げたいときは、チャーハンをお皿に盛ってから、別のフライパンで目玉焼きを焼くのがおすすめです。
チャーハンの熱でそのまま火が入りすぎるのを防げます。
チーズをのせてまろやかに
個人的にいちばんおすすめしたいのが、チーズをのせる食べ方です。
できたてのチャーハンにピザ用チーズをのせると、余熱でとろりと溶けていきます。
キムチの辛みと酸味を、チーズのコクがやわらげてくれます。
辛いものが得意ではない方や、お子さんと一緒に食べるときにも、チーズをのせるだけで食べやすくなります。
韓国でも、キムチ料理にチーズを合わせるのは定番の組み合わせですよね。
とろけるタイプのチーズなら、スライスチーズでもピザ用チーズでも構いません。
仕上げに適量をのせるだけで、味の印象がやわらかくなります。
韓国海苔とごま油で香りをプラス
最後の仕上げは、韓国海苔とごま油です。
細かくちぎった韓国海苔を散らすと、ごま油の風味と重なって香りが一気に引き立ちます。
ごま油は、仕上げに数滴たらすだけで十分です。
炒めている途中ではなく、盛りつけの直前にかけるのがポイントです。
炒める段階で使うと高温で香りが飛んでしまうので、仕上げに加えることで、香ばしさをしっかり残せます。
わたしは目玉焼き・チーズ・韓国海苔の3つを、気分に合わせて組み合わせています。
その日の気分でトッピングを変えるだけでも、同じキムチチャーハンが、違った一皿のように楽しめるので、ぜひ試してみてください。
【まとめ】本場の作り方で!キムチチャーハンのレシピ|プロの味に近づけるコツ

引用元:pixabay
https://x.gd/iUbhj
ここまで、本場に近いキムチチャーハンの作り方を紹介してきました。
最後に、ポイントをふり返っておきます。
・日本のキムチは浅漬けタイプが多く、韓国のキムチとは発酵の度合いが違う
・よく発酵した酸っぱめのキムチを選ぶと、味の再現度が上がる
・ご飯は冷やご飯、または硬めに炊いたものを使う
・長ねぎを先に炒めて파기름(ねぎ油)を作るのが本場風の分かれ目
・キムチは強火で一気に炒め、水分を飛ばす
・目玉焼き・チーズ・韓国海苔で、仕上げに自分好みの一皿に仕上げる
材料も手順も、決して特別なものではありません。
ただ、キムチの選び方と炒める順番を少し変えるだけで、仕上がりは驚くほど変わります。
「なんか違う」と感じていた原因さえわかれば、本場の味は思っているより近い場所にあります。
わたし自身、この違いに気づいてから、日本の自宅でもようやく韓国で食べていた味に近づけられるようになりました。
同じようにモヤモヤを抱えていた方の、少しでもヒントになればうれしいです。


