10月9日はハングルの日!ハングルの歴史や祝日のイベントって?
10月9日はハングルの日!ハングルの歴史や祝日のイベントって?
みなさん、韓国の文字「ハングル」が制定された日が韓国で国民の休日となっていることをご存知でしょうか?
毎年10月9日で「ハングルの日」と呼ばれて、ハングルに因んだイベントが行われます。
韓国語を学ぶ人はもちろん、韓国旅行でも目にしないことはないハングル。
最近は日本の韓国料理店や店でもデザインとしてハングルが使用されることも増えてきました。
今回の記事では、韓国で大切にされている文字「ハングル」について理解を深めていきましょう!
改めてハングルって何?
「ハングル」とは、韓国語に使用される文字のことです。
「ハングル」は”한글”と書きます。”한”=「韓」、”글”=「文字」という意味で韓国語はハングルだけで全てのことを表現することができます。
「ハングル語」という人もいますが、これは間違いです。
日本語にひらがなやカタカナを使い、英語にアルファベットを使うように、韓国語にハングルを使うため、ハングルは文字の種類の1つです。
韓国語学習者の最初の難関は、ハングルをマスターすることと言われています。
ハングルの成り立ちは意外とシンプルで、子音と母音が組み合わさり1つの文字ができています。
子音が19個と母音が10個あるので、仕組みと組み合わせだけ理解すれば読むことができるようになります。
ハングルを読むことができるようになると、韓国に行った時にお店のメニューや看板が読めるようになります。
そのため、お店を見つけやすくなりますし、写真の無いメニューも料理名が読めるので、ローカルなお店でも注文することができ、もっと旅行が楽しくなりますよ♪
例えば、”삼겹살(サmギョpサr)”=「サムギョプサル」、”초콜릿 빙수(チョコrリッ ビンス)”=「チョコレートピンス」などは、ほとんど日本語の発音と同じなので容易に想像できますよね。
ハングルの日は韓国では国民の休日!
ハングルは、朝鮮王朝第4代目の王、世宗大(セジョン)王が作ったものです。
10月9日は、世宗大王がハングルを公布した日で、ハングルをさらに研究し普及させようと制定された日。
1446年当時、社会の上流階級で一般的に使われていたのは中国から伝わった漢字でした。
しかし、一般市民にとってよりわかりやすく、親しみやすい朝鮮王朝独自の文字を作成しようと世宗大王が生み出したのがハングル。
10月9日、新しい文字であるハングルの解説書『訓民正音』と一緒にハングルを公布したと推定されています。
その『訓民正音』はハングル文字の原理等、そのわかりやすさから1997年にはユネスコ世界記録遺産にも登録されています。
韓国ではハングルの日は”한글날(ハングルラル)”と呼ばれ、1970年に祝日として制定されました。
1990年から2012年までにかけて公休日を減少させる流れがあり、一時期ハングルの日は祝日ではなくなっていたのですが、2013年から現在に至るまで再び国民の休日と定められています。
ハングル制定までのストーリーがドラマ化された作品はいくつかありますが、日本でも放送されていたことがある『根の深い木〜世宗大王の誓い〜』は特に有名です。
ハングルの歴史や制定までの苦悩がわかりやすく描かれており韓国でも平均視聴率は25%超え、傑作とされています。
ハングルの日に行われる韓国でのイベント
ハングルの日は、ハングルをさらに研究し普及させようと制定された日。
そのため、韓国ではこの日にハングルに関するイベントが多数開催され、テレビでも特集番組が組まれます。
中でも有名なのは、民族文化の発展に寄与した個人や団体を表彰する「世宗文化賞」授与式がこの日に執り行われること。
世宗大王のハングルを創造し、韓国文化になくてはならないもので、今もなお使われる文字として普及させた精神と功績にちなんだ賞だそうです。
さらに、各地で行われる習字大会や作文大会も定番です。各学校や機関が主催し、学生たちが主役となるこれらの大会は毎年の秋の風物詩でもあります。
もう1つ、なんと外国人留学生が主役となるイベントがあるのはご存知でしょうか。
それは外国人留学生がハングルに親しむ機会として用意されたイベント”백일장(べギルチャン)”です。
べギルチャンは、もともと朝鮮時代に行われていた詩文の試験のことです。
その試験を再現し、外国人留学生が与えられるテーマに沿って詩文の腕試しをするイベントが今も行われています。
テーマはその年の流行や社会情勢などにより変わります。詩部門と作文部門があり、優秀な作品は表彰されます。
このように10月9日は毎年ハングルに因んだ多様なイベントで国民がハングルに思いを馳せる日なのです。
最近は「ハングルカリグラフィー」というハングルの文字そのものをアート作品として仕上げるレッスンやイベントなども若い女性を中心に人気があります。
これらイベントも歴史の中でどのように進化していくのかが楽しみです。
2018年 平昌オリンピックはハングルがコンセプト!
ここで少しご紹介したいのが、2018年に韓国で開催された平昌オリンピックです。
オリンピックは、世界に向けて自国の文化や技術革新をアピールする場でもあります。
平昌オリンピックでも韓国文化の素晴らしさをいかに伝えるかが議論され、そのデザインコンセプトこそ「ハングル」に決定されました。
その理由は、デザインチームで度重なるディスカッションをした結果、ハングルこそが韓国の文化を集約して表現したものだからだ、という結論になったそうです。
オリンピックのロゴはもちろん、会場にある建物、オリンピック限定グッズやチケットまでにハングルの要素をデザインとして散りばめているのです。
オリンピックのロゴは”평창(平昌)”の子音「ㅍ」と「ㅊ」がオリンピック会場の建物と雪の結晶のデザインとして使われています!
こちらは実際にオリンピック会場にあった壁紙で、雪の結晶にハングルの子音や母音が使われているのがわかります。
そういう目で見てみると、会場がハングルだらけで韓国のハングルへの愛が伝わってきますよね。
オリンピックに行った当時私は韓国語を勉強していなかったのでハングルを読めず、このことに全く気づけませんでした。
そのため、これらは韓国語を勉強し始めてから初めてわかったことです・・・!なんともったいない!
【まとめ】10月9日はハングルの日!ハングルの歴史や祝日のイベントって?
今回は、韓国語に使用されるハングルの歴史やそれを普及させるために制定されている国民の祝日、ハングルの日のゆかりやその日に行われるイベントについてご紹介しました。
韓国旅行に行くと、ハングルを見かけるだけでも異国感を感じ、ハングルの入ったパッケージや雑貨に「かわいい」と感じますよね。
旅行に行くと、毎回感じるのは韓国人が最もハングルを好きでリスペクトしているということ。
お店の名前や看板では、アルファベットもありつつやはりハングルが多い印象です。
フォントも豊富でデザイン性も高いです。
その背景には、1年に1度のハングルの日に国民全員で文字に思いを馳せる文化も大きな要素なのかもしれません。
日本の韓国料理店やカフェなどでもハングルを見かけることが増えてきました。
わかりやすく「韓国」を演出できることや素敵なデザイン性だけではなく、ハングルという文字をリスペクトする気持ちも忘れないでほしいと強く思います。
みなさんも、10月9日はハングルに触れてみるのはいかがでしょうか?