韓国の名節「秋夕(チュソク)」とは?韓国の伝統行事について調べてみた
韓国の名節「秋夕(チュソク)」とは?韓国の伝統行事について調べてみた
「最近、韓国からの旅行客を見かけるな」
そう感じる時期が年に何回かありますよね。
実は韓国にも、日本のお盆や年末年始のように、多くの人が帰省したり家族と過ごしたりする時期があります。
今回は韓国の代表的な名節「秋夕(チュソク)」について調査しました。
その結果、秋夕は日本のお盆とよく似た行事であることが分かりました。
ここからは秋夕とはどんな行事なのか、秋夕の重要な儀式である茶礼について、秋夕で食べる定番料理、そして秋夕期間の旅行についてを順番にご紹介します。
秋夕とは?

韓国の代表的な伝統行事のひとつである「秋夕(チュソク)」。
旧暦8月15日に行われる、秋の収穫を祝い、ご先祖様に感謝を伝える大切な日です。
韓国では「ソルラル(旧正月)」と並ぶ重要な祝日として知られています。
どんな行事?
秋夕の時期になると、親族が故郷に集まり、ご先祖様のお墓参りをしたり、「茶礼(チャレ)」と呼ばれる儀式を行ったりします。
茶礼とは、先祖の霊を敬い、感謝の気持ちを伝えるための儀式で、料理や果物などを供えて行われます。
家族や親族みんなで、ご先祖様を敬いながら過ごすことが、秋夕の大きな特徴です。
また、秋夕には「ソンピョン」と呼ばれる餅をはじめ、この時期ならではの料理を食べる習慣もあります。
家族みんなで食卓を囲んで過ごすのも秋夕の楽しみのひとつです。
どことなく日本のお盆と似ていますね。
また、満月の晩は夜空を見上げ、家族の健康や幸せを祈る風習もあることから、日本のお月見を思わせる一面もあります。
期間はいつ頃?
秋夕は旧暦の8月15日です。
毎年日にちが違うのは旧暦で設定されているからだったのですね!
日本では現在、一般的に新暦を基準としてお盆や正月を迎えますが、韓国では、秋夕やソルラルなど旧暦に基づく伝統行事が今も大切にされています。
2026年の秋夕は9月25日(金)で、前後の9月24日(木)と26日(土)も祝日となり、連休になっています。
秋夕で重要な儀式?茶礼(チャレ)について

茶礼は先祖の霊をお迎えし、感謝を伝えるための儀式です。
そのためのお供え物を「茶礼床(チャレサン)」と呼ばれるお膳に並べます。
このお供え物の並び順には明確なルールが存在しているのです。
祭祀を行う側から見て、右側が東、左側が西となるように配膳することが基本。
茶礼床の奥中央に位牌となる紙榜(チバン)を置き、料理を並べていきます。
また、手前には儀式に使う酒や線香を置くのですが、どことなく仏壇に似ていませんか?
韓国にもご先祖様へ祈るときにお線香を灯す文化があることに親近感を抱きました。
茶礼床に並べる料理
1列目は匙と箸、ご飯、汁物、松餅(ソンピョン)です。
松餅というのは韓国の伝統餅で、中にゴマや豆、栗などの餡を入れるものがあり、さまざまな味を楽しめます。食感も日本の餅より弾力があります。
2列目は魚や肉類、ジョン(韓国風のピカタ)を並べます。
このとき魚は東側、肉は西側に置くという決まりがあり、西側から鶏肉や祭礼用に焼いた牛肉、ジョン、祭礼用に焼いた魚(オジョ)を配置。
魚のお頭は東側に、尾は西側に来るようにしなくてはなりません。
3列目は3種類の汁物をお供えします。
1つは肉湯(ユッタン)。
文字通り肉類の汁物のことです。
2つ目は素湯(ソタン)。
豆腐や野菜が入った汁物です。
3つ目は魚汁(オタン)。
干し魚の汁物です。
4列目は干し魚、シッケ(米の飲み物)、ナムルやナバッキムチ(大根を使用した汁気の多いキムチ)を配置します。
こちらにも順番があり、西から干し魚、東側にシッケ、その間にナムルやナパッキムチです。
5列目は果物や木の実になります。
西からナツメ、栗、梨、柿の順で配膳する決まりがあり、他の品を追加する場合も全体として赤いものを東に、白いものを西に置くのがしきたりです。
ちなみに梨やりんごは上部を切り取った上でお供えしなくてはなりません。
そのほか、薬菓やサンジャ(もち米を揚げたお菓子)を端に配膳すれば茶礼床の完成です。
ざっとご紹介しましたが、たくさんあって分からなくなりそうですよね。
1列目は主食、2列目はメイン料理、3列目は羹(あつもの)、4列目は副菜、5列目はデザートと考えると、イメージしやすいかもしれません。
茶礼の儀式はどのように進む?
茶礼は親族が集まって茶礼床を準備するところから始まります。
ちなみにこの準備は女性がすることとなっており、あまりの大変さから「名節シンドローム」などという言葉があるほどです。
儀式の進行は以下のとおりです。
ただし、茶礼の手順や方法は、地域や家系、家庭により違いがあります。以下はそのうちの一例となりますので、ご留意ください。
①主催者である祭主(チェジュ)がお線香を立てる。
②補佐役が祭主の杯に酒を注ぐ。祭主はこの杯をお線香の上で回す。
③補佐役が茶礼床に酒を供える。
④祭主が2回半拝礼をする。
⑤茶礼床から杯を上げ、次の拝礼者に渡す。
⑥受け取った杯の酒を器に空ける。
⑦空になった杯に再び酒を注ぐ。
上記の流れを繰り返し、終了後はお供え物を家族全員で食べます。
その後、お墓参りに出発です。
古来より儒教の教えが根強かった韓国では、この儀式は男性が行う儀式という認識でした。
しかし現在では、儀式を取り仕切るのは男性で、女性や子供どもも参加して行うという家庭が増えています。
また、茶礼床は準備せず、料理だけ作る家庭や、秋夕前後の連休を利用して旅行に行く家庭もあるなど、過ごし方は多様化しているようです。
秋夕の定番料理は?どんな食べ物を食べる?

秋夕は各地でそれぞれ生活している親族が、実家に一堂に会する日です。
そのため、昼ごはんや夜ご飯も秋夕ならではの豪華なメニューになります。
秋夕の定番料理には一体どんなものがあるのでしょうか?
まずは茶礼床にもお供えする松餅です。
うるち米の粉をこねた生地で餡を包み、松の葉で包んで蒸すことからこの名前が付いたとされています。
日本の餅と違い、丸や四角ではなく、半月の形をしているのも特徴のひとつ。
これには満月に向かって発展していくように、という願いが込められているそうです。
色もさまざまで、黄色や緑、ピンクのものもあります。
ちなみに全てよもぎやクチナシ、かぼちゃなどを使用して色付けされているので体にも良さそうです。
次の定番料理は日本でもおなじみの韓国料理、チヂミです。
秋夕の際はさまざまな種類のチヂミが食卓に並びます。
日本だと海鮮やキムチなど種類が限られていますが、韓国にはもっとさまざまな種類があります。
メインの具材の名前+ジョン(食材に衣をつけて焼いた料理・チヂミのこと)で表されるため、どんな具材が入ったチヂミか分かりやすい料理なんですよ。
そのほか、チャプチェや三色ナムルなど副菜も賑やかです。
素敵な食卓を囲みつつ、昔の思い出や近況の話に花を咲かせる……。
準備する側は大変ですが、どんな形であれ残ってほしい、温かな時間ですね。
旅行は要注意!

ここまで秋夕についてご紹介しました。
秋夕はお供え物を準備したり、各地から集まる親族を迎える準備をしたりと、とても忙しい時期でもあります。
それらは全て、ご先祖様に感謝を伝える儀式である茶礼や、お墓参りを滞りなく行うためです。
秋夕は韓国の方々にとって、とても大切な行事です。
そのためこの期間は飲食店や商業施設がお休みになったり、帰省ラッシュで道路や交通機関が混雑したりと、普段とは街の様子ががらりと変わります。
そのため秋夕の頃に旅行をする場合は注意が必要です。
地下鉄やバスの運行情報・時刻表を確認するのはもちろんのこと、混雑を予想して余裕を持ったスケジュールを組むこと。
行きたいお店がある場合は、営業しているかを事前に確認すること。
開いていたとしても営業時間が普段とは違うことがあるので注意してください。
【まとめ】韓国の名節「秋夕(チュソク)」とは?韓国の伝統行事について調べてみた

今回は韓国の名節「秋夕」についてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
現代化していくにあたり、過ごし方が変わっている部分はありますが、自分たちを見守ってくれている存在に感謝を捧げる日という認識は強く残っています。
この記事をきっかけに韓国の文化についての理解をより深めていただければ幸いです。


