【韓屋】美しさ以外にも魅力たっぷり!安全で住みやすい 韓国伝統家屋「韓屋」って?
【韓屋】美しさ以外にも魅力たっぷり!安全で住みやすい 韓国伝統家屋「韓屋」って?
韓国に行ったら、カフェ巡りやK-POPアイドルの事務所巡りも良いですが、昔ながらの伝統を体験するのも楽しいですよね。
中でも、時代劇や韓国ドラマでも度々登場する韓国の伝統家屋「韓屋」は「一度中に入ってみたいなあ。」と思ったことがある人もいるかもしれません。
今回は、まさに現地でしか見ることができない韓屋のあれこれについて特集します!
韓国伝統住居「韓屋」とは
韓屋は韓国語で「한옥(ハノッ)」と呼ばれる、韓国の伝統的な住居です。
石でできた外観に黒い瓦屋根が印象的なのではないでしょうか。
実は、韓屋も時代とともに変化してきたのはもちろん、住人の身分によっても造りに違いがあります。
両班など上流階級ではよりデザイン性が高い瓦屋根の韓屋に住み、庶民は藁葺屋根の韓屋に住んでいました。
今一般的に「韓屋」と呼ばれているのは、李氏朝鮮時代の様式の瓦屋根の建物です。
韓屋は、古代中国の風水の思想「背山臨水(はいざんりんすい)」に基づいて建てられるのが通常です。
背山臨水とは、敵国から攻められにくい理想的な立地の考え方のことで、「前は水に向かい、背後に山がある」土地や建物の建て方を指します。
このように安全な建てられ方をする韓屋ですが、住みやすく非常に実用的な住居でもあります。
韓屋ってどんな造りになっているの?
時代劇や韓国ドラマに登場するような韓屋は、敷地内にいくつも建物がありますよね。
年長者を敬い、親族が緊密な関係を築くことを大切に思う儒教の考え方が古くから根付いている韓国社会。
そのため、血の繋がりはあるものの幾つもの家族が一つの敷地内に住み、両班や王族の家系となると使用人なども複数人住み込みでお手伝いをしている、という状況が生まれます。
この文化こそ韓屋の構造に深く関係しています。
韓屋では、身分だけでなく、年齢や男女で住む建物を区別していました。
両班の階級が住む建物は、男性は「サラン房」、女性は「アン房」と呼ばれ、その間に使用人が使う建物「中門間(チュンムンガン)」が建っています。
このような配置にすることで、召使が両方にすぐ仕えることができるためです。
また、韓屋は、上から見ると「コ」の字や「ロ」の字型に造られているのも特徴。
その形状から韓屋では、中庭があることが多いです。
韓屋の外側や、中庭には「マル」と呼ばれる縁側があり、とても風通しが良い空間で、子供たちが中庭で遊ぶ姿を眺めるなど、一息つく時間に使用されます。
韓屋には、玄関がありません。そのため、出かける時や帰ってくる時は直接マルから出入りします。
住みやすくて実用的!韓屋の特徴とは?
夏に涼しく、冬は温かい
先ほどご紹介した縁側「マル」のおかげで夏には涼しいのが韓屋の特徴です。
韓屋は地面より少し高いところに建てられており、これによって地面からの湿気や熱を遮断するため足元が涼しいです。
建物の構造を「コ」や「ロ」の字にしたのも、風通しをよくするためで、比較的夏の暑さが厳しい韓国南部で発達した考え方です。
さらに、韓屋の1番の特徴が「オンドル」です。
オンドルとは、床暖房のこと。火を焚いた時に出る煙をパイプで通し、部屋全体を温める仕組みの暖房です。
韓屋以外の韓国の住居でもオンドルがついていますが、現在では、お湯を床下に通すことで部屋を温める構造が一般的になっています。
オンドルのおかげで寒い冬も足元からポカポカ。
だからこそ、韓屋にはベッドを置かず床に布団を敷いて寝たり、床に座って食卓を囲んだりする訳です。
環境に優しい
韓屋は全ての材料で化学的に加工されたものを使用せず、自然からきたもののみを使って建てられています。
だからこそ、通気性が良いだけではなく、エコフレンドリーな住居でもあります。
例えば、壁や屋根には土を使用し、柱や扉、窓には木材が使用されています。
さらに、扉や窓に貼られている紙は、木材のパルプから作られたもの。
耐久性に優れているのに、通気性が良いため、冬の冷たい隙間風は遮断しますが、夏の湿気をたまりにくくするなど、実用的です。
韓屋は、どこで見られる?
ここまで韓屋についてご紹介してきました。
さて、韓屋はどこに行くと見ることができるのでしょうか?
最近は、レストランやおしゃれなカフェ、さらには宿泊施設としてリノベーションされているところもあるので、気軽に韓屋体験ができます。
ここからは、韓国で有名な韓屋が密集するエリアをご紹介します!
北村韓屋村
韓国へ初めて観光に行くと、皆必ず訪れる場所と言っても過言ではないかもしれません。
まずご紹介するのは、韓国、ソウルの地下鉄3号線安国駅から程近い「北村」エリアにある北村韓屋村です!
このエリアには、朝鮮時代から残る韓屋が密集しており、観光地としても有名です。
王族や両班など上流階級の人たちが住んでいた韓屋で立派な建物が多く、韓服レンタルをして街歩き楽しむ観光客も多いですよ。
人気観光地であるだけあり、観光客がかなり多いので誰もいない北村韓屋村で写真を撮影したい場合は早朝に行きましょう。
写真を撮ったりカフェで休憩しながらぐるっと一周散策するのがおすすめですが、中でも「北村展望台」にあるカフェが特におすすめです!
ガラス張りの店内から韓屋村を見下ろし、瓦屋根がずらっと並ぶ風景を見ながらコーヒーを堪能することができます。
また、韓屋村と三清洞メイン通りの間には、食べ歩きの露店やコスメショップ、洋服店などもあるので立ち寄ってみるのも楽しいです。
大ヒット韓国ドラマ『トッケビ』のロケ地となったカフェもありますよ♡
益善洞(イクソンドン)韓屋村
続いてご紹介するのは、同じくソウルの仁寺洞と三清洞のちょうど間のエリアにある益善洞(イクソンドン)韓屋村です!
ソウルで最も古い韓屋村と言われており築100年以上の韓屋が軒を連ねます。
また、2014年〜15年で一気にリノベーションが進み、セレクトショップやレストラン、カフェを韓屋の雰囲気の中でゆったり楽しむことができます。
誰でも気軽に韓屋を体験でき、オンドルの温かさを感じられるカフェもあります!
益善洞は、韓国人も注目するホットプレイスでもあり、特に土日はお昼時、夕食時には行列になることも。
お目当てがある場合は予約をしておくか、平日、あるいは時間をずらしていくのがおすすめです。
全州韓屋村
最後に紹介するのは、韓国南部の歴史ある都市全州にある韓屋村です!
全州を代表する観光地の一つで、1977年に韓屋保存地区として指定されています。
約700軒の韓屋がずらりと並ぶ全州韓屋村には今もその場所で生活する人もいます。
くれぐれも迷惑にならないようマナーを守って散策しましょう!
全州は、ピビンパの聖地。20種類の具材が入った全州ピビンパは、韓国を代表するピビンパの一つです。
ナムルや野菜などの上にごま油をかけ、一番上にユッケを置いて仕上げるのが特徴。見た目にも鮮やかで食欲をそそる一品。ぜひ食べてみてください!
【まとめ】【韓屋】美しさ以外にも魅力たっぷり!安全で住みやすい 韓国伝統家屋「韓屋」って?
今回の記事では、韓屋とは一体どんな建物でどのような特徴があるのかを中心にご紹介してきました!
韓屋は、韓国の歴史ある伝統家屋でとても美しい外観であるだけでなく、建築方法や構造、設備からとても実用的な住居だということがわかりました。
最後には、韓国にある有名な韓屋村を3箇所ご紹介しました。
最近は韓屋を現代風にリノベーションしたカフェや宿泊施設もあるので気軽に韓屋を体験することができます。
「映え」の韓国も楽しいですが、たまには韓国の歴史を味わうのも大切ですね。