韓国の結婚式ってどんなの?日本との違いを解説

韓国ドラマや映画で目にする韓国の結婚式シーン。
日本と似ているようで、実際には独自の文化やスタイルが反映されています。
韓国の結婚式には、スピード感があったり、伝統的な儀式が残っていたりと「え、そうなんだ!」と驚くポイントがいっぱい。
この記事では、日本との違いに注目しながら、韓国の結婚式の特徴をわかりやすく解説していきます。
韓国の結婚式の基本スタイル

引用元:https://www.nikkei.com/
韓国の結婚式は、日本のものと比べると「短時間&シンプル」が大きな特徴。
形式ばった部分よりも「お祝いの場に参加する」ことを重視しているのが印象的です。
会場は結婚式場(ウェディングホール)が主流
韓国では、結婚式といえば「ウェディングホール」と呼ばれる専門式場やホテルで行うのが一般的です。
ウェディングホールは一日に何組もの挙式がスケジュールされていて、時間ごとに次々と新郎新婦が入れ替わる回転式の仕組み。
効率的に運営できるため、多くのカップルが同じ日に結婚式を挙げるのが特徴です。
式の進行は約1時間とスピーディー
韓国の結婚式は驚くほどテンポが早く、式全体でおよそ1時間前後。
新郎新婦の入場、誓いの言葉、指輪交換、両親へのお辞儀や挨拶、記念撮影といった流れが一気に進んでいきます。
日本のように神前式や披露宴で長く時間を取ることは少なく、ゲストにとっても気軽に参加しやすいスタイルです。
食事はビュッフェ形式が多い
式が終わると、多くの場合は同じ式場内の別フロアにある食堂へ移動します。
食事は基本的にビュッフェ形式で、ゲストは好きな料理を自由にとって食事を楽しみます。
その食堂には同時間帯に別の式を挙げているカップルのゲストも一緒に入っていることもあり、日本のように一組ごとに貸し切りで披露宴を行うのとは大きく異なります。
格式の高いホテルウェディングや特別な会場では、日本のように披露宴の最中にコース料理が振る舞われることもあります。
一般的なビュッフェ形式に比べると少数派ですが、よりフォーマルな雰囲気を重視する場合に選ばれるスタイルです。
韓国の結婚式と日本の結婚式の違い

引用元:https://japan.hani.co.kr/
韓国の結婚式は日本と比べて共通点もありますが、実際に比べてみると「え、そんなに違うの?」と驚く点も多いです。
ここでは代表的な違いを見てみましょう。
① 式の進行スピード
日本の結婚式は挙式・披露宴を合わせて半日かかることもありますよね。
韓国では、前述のとおり、約1時間で終了するのが一般的です。
ゲストの拘束時間が短く、気軽に参加できるスタイルになっています。
② ご祝儀
日本はご祝儀袋に新札を包んで渡しますが、韓国では現金を封筒に入れ、受付で渡すシンプルなスタイルで、新札でなくても問題ありません。
金額も日本より少なめで、友人や同僚なら5万ウォン〜10万ウォン(約5,000〜10,000円程度)が目安です。
受付で渡した人の名前は芳名帳に記録され、誰からいくら受け取ったかが分かる仕組みになっています。
③ 新郎新婦の衣装
韓国の結婚式では、新郎新婦は基本的にドレスとタキシード姿で登場します。
ただし、披露宴や「ペベク(伝統的なお祝いの儀式)」の際に、新郎新婦が韓国の伝統衣装「韓服(ハンボク)」に着替えるケースもあります。
華やかな色合いの韓服は写真映えも抜群で、近年はお色直しの演出として取り入れるカップルが増えています。
④ 写真撮影の文化
韓国では「結婚式といえば写真」といってもいいほど、撮影文化が盛んです。
式の前には必ずといっていいほど「前撮り(スタジオ撮影)」を行い、映画のように仕上げられたアルバムを作るのが定番。
また、式当日も新郎新婦との写真撮影の時間がしっかり設けられており、ゲストが自由に撮影する雰囲気も日本と大きく異なります。
⑤ 参列者の服装
韓国の結婚式では、日本のようにゲストがフォーマルなドレスやスーツで固める必要はなく、服装はかなりカジュアルです。
女性はシンプルなワンピースやセットアップで参加する人が多く、ミニ丈でも問題ありませんが、露出が多すぎる場合はタイツなどで調整します。
スニーカーで参列しても違和感がなく、日本のように「必ずヒール」という決まりもありません。
ただし日本と同じく、白い服はNGとされています。
男性はジャケットやニット、Tシャツなど、普段着に近い服装で参加する人が多く、ジーンズやサンダル姿も珍しくありません。
日本のように「正装でなければ失礼」という雰囲気は薄く、全体的にリラックスした装いが主流です。
むしろフォーマルすぎると浮いてしまうこともあり、日本の結婚式と比べて大きな違いを感じるポイントといえるでしょう。
⑥ 引き出物
日本の結婚式では、参列者に引き出物を渡すのが定番ですが、韓国では引き出物を用意する習慣はほとんどありません。
式場の受付で現金のご祝儀を渡し、その代わりにちょっとしたお菓子や軽い記念品を受け取る程度が一般的です。
地域や家庭によっては、小さな贈り物を用意することもありますが、日本のように豪華な引き出物を期待する文化ではありません。
⑦ 招待の文化
韓国の結婚式は、日本と比べてオープンな雰囲気があるのも特徴です。
日本では招待状がないと基本的に参列できませんが、韓国では知人や同僚が招待状なしで参加することも珍しくありません。
受付でご祝儀を渡せば食事もできる仕組みになっているため、「少しだけ顔を出してお祝いを伝える」という参加の仕方が可能です。
これは結婚を二人だけの出来事ではなく、社会的なつながりや人間関係の延長としてとらえる文化の表れでもあります。
最近では親しい人だけを呼ぶ少人数スタイルも増えていますが、韓国の結婚式には招待の境界がゆるやかな文化が根強く残っており、日本の結婚式との大きな違いのひとつといえるでしょう。
韓国の結婚式ならではの伝統儀式「ペベク」

引用元:https://japan-korea-strait8.org/
韓国の結婚式には、伝統的な文化を感じられる瞬間があります。
代表的なのが「ペベク(폐백)」と呼ばれる儀式です。
ペベクは、挙式や披露宴のあとに両家の親や親族に感謝と挨拶を伝える場です。
現代的な式が多い韓国においても、この儀式だけは続けるカップルが多く、結婚を「二人の契約」ではなく「家と家の結びつき」として確認する役割を持っています。
ペベクの中で特に有名なのが、ナツメや栗を使った風習です。
ナツメは「子孫繁栄」、栗は「豊かさと長寿」を意味し、新郎の両親がこれらを新婦のスカートに向かって投げ入れ、新婦が裾を広げて受け止めます。
受け止めた数によって「将来どれくらい子どもに恵まれるか」を占うという意味が込められており、緊張の中にも笑いが起きるユニークな場面として知られています。
このようにペベクは、形式ばった儀式というよりも、家族が一体となって未来を祝福する象徴的な時間です。
日本の結婚式が「新郎新婦が主役」になりがちなのに対し、韓国の結婚式は家族の絆を重んじる文化が色濃く表れている、といえるでしょう。
まとめ|日本との違いから見えてくる韓国らしさ
韓国の結婚式は、日本と比べて短時間で効率的に行われる一方、家族同士のつながりを大切にする文化が強く反映されています。
披露宴がビュッフェ形式だったり、参列者の服装がカジュアル寄りだったりと、随所に「韓国らしさ」を感じられるのも特徴です。
形式やスタイルは違っても、結婚式が「大切な人たちと祝福を分かち合う場」であることに変わりはありません。
日本との違いを知っておくことで、韓国文化をより深く理解でき、実際に参列する機会があれば、安心して楽しめるでしょう。