プロ野球のチアから広まった!K-POPアイドルも踊って話題の【ピキピキダンス】って?
「ピキピキダンス」という言葉を聞いたことはありますか? K-POPアイドルグループのダンスではなく、プロ野球チームのチアリーダーから流行したダンスなんです。2024年の韓国野球を語るうえでなくてはならないワードです。
今回は、「ピキピキダンス」とはどのようなダンスで、なぜブームを巻き起こしたのかを説明したいと思います。
三振を喜ぶためのアウトソング?【ピキピキダンス】とは
「ピキピキダンス」とは、韓国プロ野球リーグ(KBO)のチーム=KIAタイガースのチアリーダーが踊る“三振アウトソング”です。韓国語では「삐끼삐끼춤」となります。
アウトソングというのは、KBOの応援文化コンテンツのひとつです。応援団のチアリーダーが自身のチームのアウトカウントが増えるたびに、特定の音楽にのって簡単なダンスを3~4回繰り返すというもの。つまり、「ピキピキダンス」はKIAタイガースのチアリーダーが、相手チームが三振したことを喜ぶために踊るダンスなのです。
それが、2024年6月に突如としてブームを巻き起こし、YouTubeやインスタグラム、TikTokといったSNSで拡散しました。海外でも「韓国プロ野球特有の応援文化」として紹介され、SNSチャレンジに発展しながら人気を博しています。
何気ない動画から広がった!【ピキピキダンス】ブームのきっかけ
KBOの野球ファンの間では知られていたこの三振アウトソングですが、2024年6月にいきなりバズります!
KIAタイガースのチアリーダー、イ・ジュウンがベンチに座って化粧直しをしていたところ、アウトソングが流れだし、急いで立って「ピキピキダンス」を踊り出す……。その短い映像が各SNSに拡散したことで、野球を知らない人たちからも注目を集めるようになりました。
その元祖となる動画は、2024年6月22日にYouTubeにアップロードされた「化粧直し中“ピキピキ”イ・ジュウン(Lee Ju-Eun)チアリーダー」というものです。
突然始まったアウトソングに驚いた彼女が、すぐにファンデーションを閉じ、あたふたしながらも「ピキピキダンス」を踊るのです。その仕事への真摯な姿が、多くの視聴者の心をつかみました。
その後、外国人選手のロニー・ドーソンが二塁到達後に「ピキピキダンス」を踊ったり、K-POPアイドルグループfromis_9のメンバーが始球式で「ピキピキダンス」を披露したりと、選手や芸能人までもが真似をし始め、K-POPファンにも広がっていきました。このブームに着目した球団側も「公式ピキピキダンスイベント」を実施することがあったそうです。
シンプルで覚えやすい!【ピキピキダンス】の振り付け
アウトソングは、相手チームのアウト時に、“憎たらしく挑発する”のがポイントであるため、KIAタイガースのチアリーダーも「ピキピキダンス」を無表情で踊ります。
踊り方は、比較的簡単。少し右側を向き、左手を軽く握って親指を立てるポーズを取ります。その後、腕を上下に動かし、腰を振ります。半円を描くようなイメージですね。次に左側に向きを変え、右手で同じ動作を行います。そして、親指を立てた両手を胸の前で交差させてX字を作り、これを4回繰り返します。
上の映像は、聯合ニュースが「ピキピキダンス」ブームを伝えているものです。
【ピキピキダンス】時に流れる音楽の原曲は?
ピキピキアウトソングは、2021年に発表されたDJ Prengky Gantay(インドネシア)の『DJ JTL My Lecon (Prenky Gantay)』というリミックス曲です。
そして実は、そのオリジナル曲はK-POPなのです。2001年にJTL(ジェイティーエル)がリリースした1stアルバム『Enter The Dragon』に収録された「My Lecon」という楽曲。それがインドネシアのEDMダンスジャンルである“Jedag Jedug”スタイルにアレンジされました。
ちなみに、JTLとは、チャン・ウヒョク、トニー・アン、イ・ジェウォンから成るグループです。H.O.T.のメンバー3人が新たに結成したグループとして、当時、大人気でした。
【ピキピキダンス】ブームの火付け役=イ・ジュウンってどんな人?
「ピキピキダンス」ブームの火付け役となったチアリーダーのイ・ジュウンは、2023年にデビューしたばかりの新人です。
2023年、女子プロバレーボールチームの水原現代建設ヒルステートと男子チームの水原韓国電力ビクストームを皮切りに、男子バスケットボールリーグのチーム・高陽ソノ・スカイガンナーズと女子バスケットボールの富川ハナ1Qの応援団でチアリーダーとして活動を開始しました。
2024年にKIAタイガースの応援団にチアリーダーとして参加し、1シーズン活動。上記の通り、「ピキピキダンス」のシンドロームの発端として注目を浴びて、国内外で大きな話題となり、この流行の中心人物と評価されました。
デビューして間もないにも関わらず、インスタグラムのフォロワー数は100万人を超えています。
なお、2024年、韓国シリーズでKIAタイガースが勝利した後、所属事務所であるAPEXコミュニケーションズとの契約が終了したことが報じられました。
小学校3年生から高校1年生の1学期まで、テコンドーの示範団で活動していたそうです。また、高校時代には野球部のマネジャーを務めていたとのことです。
名前 | イ・ジュウン(이주은/Lee Ju-Eun) |
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生年月日 | 2004年7月24日 |
身長/体重 | 169cm/52kg |
血液型 | AB型 |
学歴 | 冶爐(ヤロ)高等学校 |
インスタグラム | @my._.chuuu/ |
プロ野球チーム【KIAタイガース】とは
KIAタイガースは、現代自動車グループ傘下のKIAが運営するKBOリーグのプロ野球チーム。「起亜」と表記されることもあります。創設は1982年。本拠地は光州(クァンジュ)で、ホーム球場は光州KIAチャンピオンズフィールドです。2001年まではヘテグループが運営していたため、ヘテタイガースという球団名でした。チームカラーは赤で、動物キャラクターは虎です。
韓国シリーズに12回進出し、12回優勝しています。今年2024年は、7年ぶりに韓国シリーズ制覇を果たしました。KBOリーグの球団のなかでは、最多優勝数を誇ります。
【まとめ】プロ野球のチアから広まった!K-POPアイドルも踊って話題の【ピキピキダンス】って?
今年、SNSで大バズリした「ピキピキダンス」について見てきました。
化粧直しをするシーンから「ピキピキダンス」を踊るまでをパロディーにして投稿する人も多くいます。キャッチ―な振り付けなので、覚えやすそうではありますよね。
何気ない動画からスターが生まれるのをたまに目にしますが、チアリーダーのイ・ジュウンがまさにその主人公かもしれません。今後、芸能界デビューするかもしれないと、勝手ながら予想しています。
K-POPグループの楽曲がインドネシアのアーティストによってアレンジされ、それを韓国プロ野球の応援団が使用してバズる!という部分も興味深い構図です。気になった方は、楽曲のほうも聴いてみてくださいね。