韓国のペット事情は?韓国の犬統領「カン・ヒョンウク(강형욱)」もご紹介!
韓国のペット事情は?
皆さんは、韓国ではペットのことを何と言うかご存じですか?
韓国ではペットのことを「반려동물(パㇽリョトンムㇽ)」と言います。
直訳すると「伴侶動物」で、人生の伴侶者として一緒に歩んでいくという意味が込められています。
素敵な言葉ですよね。
以前は韓国でも「PET」を意味する「애완동물(愛玩動物)」と呼ばれていました。
しかし、「愛玩動物」というと人間が主に近くに置いて、可愛がったり楽しむために飼育する動物という意味合いになってしまいます。
そのため韓国では、人間の楽しみのための所有物ではないということを強調するために、現在では「伴侶動物」と呼ぶようになりました。
ちなみに、犬は「반려견(パㇽリョギョン)/伴侶犬」、猫は「반려묘(パㇽリョミョ)/伴侶猫」と呼ばれています。
韓国ではどれくらいの人がペットを育てているの?
統計庁が2021年9月に発表した調査結果によると、韓国で伴侶動物を育てているのは312万9000世帯に及ぶとのことです。
調査当時の韓国の全体世帯数が2,092万7,000世帯なので、全体の約15%が伴侶動物を育てている世帯でした。
7世帯中1世帯が伴侶動物を育てているわけですね。
韓国では猫よりも犬を育てている世帯の方が、3倍以上多かったです。
それでは、日本の場合はどうでしょうか?
2020年の調査によると犬と猫を育てている世帯数の合計は1,230万6千世帯。
全体世帯数が5,738万世帯なので、全体の約21%、5世帯中1世帯が犬や猫を育てている世帯でした。
他の動物も入れると日本の伴侶動物を育てている比率はもっと上がりそうですよね。
コロナ禍の克服にペットが活躍!
コロナによってステイホーム期間が長くなったことで、日本ではペットを飼う人が増えました。
韓国でもやはりステイホーム期間中に、伴侶動物のおかげでコロナ禍を克服できたと答えた人が9割を超えていました。
いわゆる「コロナブルー(コロナの長期化が原因で起こる不安とうつ病)」を伴侶動物のおかげで耐え抜くことができたと考えている人が多いようです。
「散歩に一緒に行くことで気分転換にもなったし、運動もでき、規則的な生活を保つことができた」や「伴侶動物のおかげで在宅勤務が楽しくできた」という声がありました。
一方で捨て犬・捨て猫の問題も。。
伴侶動物のおかげで、人生が豊かになっていると答える人がいる一方で残念ながら、捨て犬や捨て猫の問題があるのも現実です。
特に全国でも捨て犬が多いのが、チェジュ島とのこと。
2021年にチェジュ島で発見された捨て犬の数は4,517頭で、ソウルの2,784頭を遥かに超えています。
人口対比の捨て犬発見件数も5年連続全国1位とのことで、原因としては野良犬が多いことが挙げられているよう。
そんな捨て犬や捨て猫たちを救うために、里親を申し出る飼い主さんたちも増えています。
ちなみに、韓国での捨て犬の里親率の全国平均は約28%程度だそうです。
犬の大統領ってどういうこと?
韓国で「犬の大統領」と呼ばれている人物がいます。
その人物は、伴侶犬の訓練士であるカン・ヒョンウクさんです。
それにしても犬の大統領ってすごい愛称ですよね(笑)
一体どうしてカン・ヒョンウクさんは犬の大統領と呼ばれているのでしょうか?
その由縁を探ってみると、韓国で伴侶犬のための散歩の重要性を大衆に認識させるのに大きな役割を担ったのがまさにカン・ヒョンウクさんとのこと。
海外で犬の訓練に活用されているカーミングシグナルを韓国に導入したことでも有名です。
ちなみに、カーミングシグナルとは犬に生まれつき備わった非音声的言語を指します。
不要な争いを避けるために、犬は自分の立場や感情をボディランゲージで私たち人間に示してくれているんです。
このカーミングシグナルを用いて、カン・ヒョンウクさんは犬の問題行動に対してこれまで用いられていた圧迫訓練ではなく、問題行動を起こす原因を犬の立場から考察し、解決していくという方法で犬を訓練しています。
現在、カン・ヒョンウクさんはペットバラエティ「犬は素晴らしい」にも出演中。
すぐに噛みつくなどで飼い主を悩ませているお悩み犬を訓練するというコーナーがあるのですが、犬の行動を見て、瞬時に犬の気持ちを察知する能力には本当に感嘆です。
カン・ヒョンウクさんが番組で少しの間訓練をしただけでも、犬の問題行動が大なり小なり治まっているのもすごいな~と毎回思います。
犬を育てている方には本当に必見の番組です!
もちろん、放送後も飼い主が根気よく訓練を続けていくことが一番大事ではありますが、まさに悩んでいる飼い主にとってカン・ヒョンウクさんが最後の砦といった感じです。
まさに犬の大統領にふさわしいですね!
韓国の犬統領「カン・ヒョンウク(강형욱)」を詳しくご紹介!
カン・ヒョンウクさんとはどんな人物なのでしょうか?
ここからは、カン・ヒョンウクさんの人間像に迫っていきたいと思います。
犬の訓練士であり、現在はBodeumという犬の訓練学校を運営。
伴侶犬と飼い主のための商品も自ら開発していて、Bodeum Shopで販売もしています。
また、Bodeum TVというYouTubeチャンネルも運営していて、そこでも犬のお悩み相談等の動画を挙げています。
やはり犬の大統領だけあって、このBodeum TVの登録者はなんと133万人!犬を飼っている人は登録したくなりますよね~。
カン・ヒョンウクさんはどうしてこんなにも犬の気持ちが分かるのか不思議だったのですが、調べてみると彼の生い立ちに鍵がありました。
子供の頃にお父さんが犬の繁殖工場を運営。そのため、小さい時から犬と過ごす時間が多かったそう。
そして、捨て犬センターでのボランティア活動にも通いながら、訓練士という職業に関心を持ち始め、後に訓練士になることを決心しました。
そして、2週ごとに学校に通える放送通信高校に進学。
1999年には韓国障害者補助犬学校に訓練士として入学します。
2005年に軍隊を除隊すると、オーストラリアの犬の訓練所で1年半、日本で5か月を過ごします。
当時、犬の訓練と言うと強制的な圧迫訓練でした。カン・ヒョンウクさんもこの方式で学んだため、彼も当然この圧迫訓練を使用していました。
しかし、カーミングシグナルという概念に接し大きな衝撃を受けると、2012年にノルウェーに渡ります。
そこで、カーミングシグナル産みの親であるトゥーリッド・ルーガス氏のもとで研修を受け、本格的にカーミングシグナルを導入し始めたとのこと。
カン・ヒョンウクさんのヒストリーを読み解くと、韓国での伴侶犬文化に大きな影響を与えた人物であるのには間違いないですね。
【まとめ】韓国のペット事情は?韓国の犬統領「カン・ヒョンウク(강형욱)」もご紹介!
韓国のペット事情を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
日本でも今や子供の数よりも、ペットの数の方が多いと言われているほど人間にとってなくてはならない存在ですよね。
それだけに捨て犬・捨て猫の問題は心が痛いです。。
ペットたちが幸せに人生を全うできる世界になればいいな~と心から願っています!