韓国の初冬は「キムジャン」の季節‼︎1年分のキムチを漬ける伝統文化とは?
韓国の初冬は「キムジャン」の季節‼︎1年分のキムチを漬ける伝統文化とは?
韓国の冬の始まりに各家庭で行われるのは「キムジャン」!!
1年分のキムチを漬ける初冬の風物詩でユネスコ世界無形文化遺産にも指定されています。
今回の記事では、一年に一度のビッグイベント「キムジャン」とは何かご紹介します。
私の韓国人の友人も、先日自宅でキムジャンをしていました。
その時の写真をもらったので、それも使いながらキムジャンの流れも説明していきます!
韓国の冬の風物詩 キムジャン(김장)って何?
韓国の食卓といえばほとんど必ずと言っていいほど並ぶキムチ。
キムチの味は家庭やお店によって同じものは1つと無く、正解はありません。
キムジャンとは、1年分のキムチを漬け込む一大イベントです。
今でこそ年中生鮮食品がスーパーに並びますが、朝鮮半島の冬といえば厳しい寒さで、昔は新鮮な野菜が手に入りにくかったそう。
そのため、野菜をキムチにして保存し、それを食べることで冬はビタミンCを摂っていました。
近年は、年中新鮮な野菜が手に入ることに加え、美味しい市販のキムチも増えてきたのでキムジャンをする家庭が減ってきているそうです。
しかし、代々引き継がれるそれぞれの「家庭の味」を守っていく意味もあり、家族一同が集まって一年を振り返りながらキムチを漬ける作業はまだまだ受け継がれています。
キムジャンシーズンの街の様子
毎年11月下旬から12月上旬になると、韓国ではキムジャンのシーズンが始まります。
街や市場には白菜を中心にキムチに使用するための野菜や薬味が山積みに並びます!
キムジャンで使用する白菜は、秋に収穫される「秋白菜(カウルペチュ)」と呼ばれる種類で、韓国のお盆(チュソク)に種をまき、収穫されたものが多いです。
生の白菜から漬けていくケースもあるようですが、キムジャン用に塩漬けされた白菜も販売されているようで、そこから作業を始める家庭も多いそうです。
キムジャンの必需品!
キムジャンは数日かけて行うのが一般的です。
中腰で行う作業も多く、重い白菜を一気に運ぶなど力仕事も多いため、動きやすい服装が必須です。
さらにキムチを漬けるヤンニョム(ピリ辛合わせ調味料)を扱うのでオシャレはNG!
汚れても良い衣服にエプロンを着けて臨みます。
さらに、唐辛子や塩などに直接触れながら作業を行うため、ゴム手袋は欠かせません。
韓国ドラマでも度々キムジャンのシーンが出てくるので、ピンクのゴム手袋を着けて作業するオモニ(お母さん)たちを見たことがある人もいるかもしれませんね!
キムジャン1日目:野菜の塩漬け作業
12月1週目頃、私の韓国人の友人 リーちゃんがキムジャンを行っていました!
リーちゃん家では、今回半年分のキムチを漬けたそうです。白菜50個(!)の他、大根とネギ、さらにからし菜の4種類のキムチを家族3世代で漬けました。
その様子の写真を使いながらキムジャンの流れをご紹介します!
1)まずは野菜の収穫!
リーちゃん家では、おばあさまが野菜を育てていらっしゃいます。
そのため、塩漬けされた白菜に頼らず、まずは畑に皆で収穫するところからキムジャンがスタートです!
今年はこんなに立派なお野菜がたくさんとれました。
まずは、これらのお野菜を水できれいに洗い、塩漬けの準備を行います。
2)いよいよ野菜の塩漬け作業
今回は、キムジャンのメイン、白菜キムチ作りを追っていきます!
まずは一株の白菜を1/4に切ります。
次に白菜の葉1枚1枚に塩をしっかり入れ込んでいきます。
その後、塩水に浸し、そのまま次の日の朝まで漬けておきます。
この塩漬け作業まででキムジャン1日目は終了です!
キムジャン2日目:ヤンニョムを作ってもみ込む
1)塩漬けした白菜を水洗い
さて、2日目も朝から作業を始めます!
まずは昨日の夕方に漬け込んでおいた白菜を軽く水洗いし、余分な塩分を落としていきます。
2)ヤンニョム作り
キムチは家庭によって味が違いますが、その決め手となるヤンニョムを作っていきます!
リーちゃん家のヤンニョムは、大根、ネギ、からし菜を入れます。
ネギは小口切りに、からし菜はざく切りに、大根は千切りに。
一気に野菜を切っていきます!この作業も手が痛くなります・・・!
これらの野菜の他、すりおろしニンニクや玉ねぎ、唐辛子粉、アミエビの塩辛や梅エキスなどを入れて手で全体を混ぜていきます。
3)ヤンニョムを白菜にもみ込む
ヤンニョムが完成したらキムジャンも後半です。
塩漬けの作業と同様に、白菜1枚1枚にヤンニョムを塗り込んでいきます。
この作業が終われば、さらに1日外で熟成させ、今年分のキムチが完成!
その後冷蔵庫に移動して保存し、半年かけて食べられます。
リーちゃんご一家、今年のキムジャンも本当にお疲れさまでした!
【おまけ】キムジャン期間で食べるのは・・・
どのくらいのキムチを漬けるかにもよりますが、長いところで3日〜4日間キムジャンを行うこともあります。
黙々と手を動かしたり、中腰で白菜を塩漬けにしたりと、まさにキムジャンは体力勝負!
この期間の疲れを癒すのが美味しいごはんです♡
キムジャンのシーズンによく食卓に登場するのが韓国料理の中でも特にキムチと一緒によく食べられるポッサムです!
ポッサムは、茹でた豚肉をキムチやニンニク、ヤンニョムと一緒にサンチュなどの野菜に包んで食べる定番の韓国料理です。
キムジャンのシーズンは、漬けたての白菜キムチと一緒にポッサムを食べて疲れた身体を癒す家庭が多いそうですよ♪
写真は、リーちゃん家のポッサム。ポッサム用に少し大根を多くヤンニョムに足して楽しんだそうです!
【まとめ】韓国の初冬は「キムジャン」の季節‼︎1年分のキムチを漬ける伝統文化とは?
今回は、韓国の冬の始まりの伝統行事、「キムジャン」をご紹介しました!
1年分のキムチを漬けるこの作業、このように文章に書いて紹介するとシンプルに見えますが、体力仕事でかなり大変な作業です・・・!
でもこのようにしてそれぞれの家庭の味が世代に渡って受け継がれているのは、温かい文化ですよね。
韓国では旅行者向けにキムジャン体験のプログラムを提供しているところもあります。
韓国旅行が解禁になれば、一度韓国の冬の風物詩を体験してみるのはいかがでしょうか?
苦労して漬けたキムチは美味しさもひとしおです!