2023年最も話題を集めた韓国のファッション10大ニュースを総まとめします!
2023年の韓国ファッション10大ニュースをご紹介します!
今回は、韓国のファッション情報誌である「Fashionbiz」が選んだ2023年最も話題を集めた韓国のファッション10大ニュースをご紹介しようと思います。
マガジンとオンラインニュースの中で最も再生回数と関心が高かった記事を中心に選定したとのことで、Kファッションに興味のある方にとっては気になりますよね!
2023年を総まとめしつつも、2024年のKファッション業界の方向性なども見えてくる記事だと思うので、ぜひチェックしてみてください。
それでは、早速見ていきましょう♪
10大ニュース①国内外へのKファッション影響力の拡散
昨年のファッション市場はラグジュアリー・輸入コンテンポラリーブランドが率いたと言えますが、今年は断然「Kブランド」が注目されています。
これはKファッションが競争力を備え、その影響力が国内外に急速に広がっているから。
まず海外市場を見てみると、ここ数年間、Kファッションブランドの必須攻略先だった中国に続いて、日本・台湾・ベトナムをはじめとする東南アジア地域からもラブコールが殺到している状況。
韓国国内でも百貨店を中心にKファッションブランドの誘致に死活をかけている様子だそうです。
海外に進出しているKブランドを見ると、全般的にカジュアルやアウトドア、スポーツおよびゴルフウェアブランドが最も多いのですが、最近では婦人服ブランドと子供服・ファッション雑貨ブランドにまでその範囲が広がりつつあります。
そして、Kファッションブランドへのラブコール現象は、韓国内の百貨店の動向を見ても明白です。
ロッテ・現代・新世界などの百貨店では多様なKファッションブランドを入店させたり、発掘に力を入れていて、その結果オンラインだけで見ることができたブランド商品にオフラインでも会えるという点が、20~30代の消費者を百貨店に呼ぶこむきっかけにもなっている模様。
10大ニュース②NIKEに続く次なる売上1兆ウォンブランドは?
今年、韓国国内で「NIKE」に次ぐ単一ブランド売上1兆ウォン超えのブランドが登場することになるか関心が集まっています。
その候補となっているのが「TOPTEN」「THE NORTH FACE」「new balance」「ユニクロ」の4ブランド。
まず、TOPTENは今年9,000億ウォン台の売上達成を見込んでいます。
「2021年:5,850億ウォン」「2022年:7,800億ウォン」と順調に売り上げを伸ばしているTOPTENは国内SPAブランドの中で初めて売上1兆ウォンを見据えるまでの規模に成長しました。
順調に今年の売上目標を達成した場合、「ユニクロ」を抜いて韓国内1位のSPAブランドになる見通しです。
「THE NORTH FACE」と「new balance」も順調に売り上げが推移していて、共に1兆ウォン超えの期待が高まっています。
10大ニュース③オールドマネールックが人気!
婦人服・紳士服共に今年のファッショントレンドキーワードを選ぶとするなら、断然「オールドマネールック」!
オールドマネールックとは、お金持ちの上流階級を意味する「Old Money」と「Look」が合わさった言葉で、代々裕福な階層が着ているようなスタイルのこと。
例えば高級な生地、ホワイト・ブラックなどの落ち着いた色味、ブランドロゴを見せないなどが特徴です。
それゆえに「静かなラグジュアリー(Quiet Luxury)」と呼ばれており、ラグジュアリー業界でいうとクラシックで落ち着いた感性の「ロロ・ピアーナ」「セリーヌ」などがその代表。
上の写真がまさにオールドマネールックなのですが、確かに落ち着いた雰囲気を醸し出していますね。
コロナ渦が落ち着いて以降は、とにかく着飾るという意味の「꾸꾸(クック/꾸미고 꾸미다の略)ファッション」が流行しましたが、過度なブランドロゴや派手な柄で富を誇示する目立つラグジュアリーに疲れた消費者が「静かなラグジュアリー」に目を向けたようです。
10大ニュース④「ポップアップの聖地:聖水洞」その勢いはどこまで!
現在、ソウルで最も注目されている商圏と言えば「聖水洞(ソンスドン)」です。
Z世代の聖地と呼ばれ、ポップアップストアの聖地にも浮上した聖水洞。
2023年のファッション界のすべてのイベントは聖水洞から始まったと言えるほど、聖水洞を越える商圏はありませんでした。
そして、その人気と比例して賃貸料も高騰しており、この流れがいつまで続くのかと関心を集めています。
聖水洞で開かれるポップアップストアやポップアップ展示は、月別推算で少なくとも50~100件に至ると言われており、不動産業界によると高い賃貸料にもかかわらず、来年の初めまで空きがないほど予約が殺到しているとのこと。
聖水洞というとこれまでは、デザイナーブランドやストリートカジュアルブランドが大多数でしたが、最近では「バーバリー」「シャネル」「JACQUEMUS」などのラグジュアリー・コンテンポラリーブランドのポップアップも相次いで開かれており、聖水洞の価値はますます高まっています。
ブランドアイデンティティを見せるための空間として、現時点では聖水洞が最適ということですね。
10大ニュース⑤「3マ(3마)時代」到来!
ラグジュアリー業界には「エ・ル・シャ」があると言われています。
これは「エルメス」「ルイヴィトン」「シャネル」の略で、この3ブランドを誘致してこそブランド品のマーケティング戦略が完成するということ。
現在、同じような概念で作られた言葉が「3マ(3마)」で、MZ世代を攻略するためには「MATIN KIM(마뗑킴)」「MARITHE FRANCOIS GIRBAUD(마리떼 프랑소와 저버)」「Mardi Mercredi(마르디메크르디)」の3つのマ(마)が付くブランドを誘致しなくてはならないという意味。
つまり、これらのブランドは現在、韓国ファッション業界で最もホットなブランドとして今年一年の流行を牽引したと言えます。
Kファッション好きの間では既に有名なブランドなので、3ブランド全て知っているという方も多いかと思います!
10大ニュース⑥ゴルフウェア・ラグジュアリー市場の停滞
新型コロナウイルスのパンデミック時期に最も大きな恩恵を受けたのが、ゴルフウェアとラグジュアリー市場。
毎年20%以上の伸び率を見せ、大きく成長しました。
しかし、コロナ渦が落ち着くと状況は変わり、今年は不振な実績が続いています。
ゴルフウェア好況期にはライフスタイルゴルフウェアとして「malbon golf」「G/FORE」「PXG」などの新規ブランドが人気を博しましたが、これらのブランドも今年の下半期には売り上げがマイナス30%台に下落し、売上不振を免れませんでした。
ラグジュアリー市場も昨年の冬シーズンを基点に成長の勢いが鈍化しています。
個人ブランド消費額世界1位の韓国ですが、ブランド品の消費が大幅に減り、熱い人気を集めたリセール市場も低迷。
その理由としては経済不況などもそうですが、コロナ禍が落ち着いて以降、海外旅行が活発に増え、現地でより幅広くショッピングができるようになったことで、韓国国内のブランド品への需要が減ったものと分析されています。
10大ニュース⑦ファッション大企業の売上が下落傾向に・・
今年の韓国ファッション市場は「酷寒期」という言葉が出てくるほど景気が良くないんです。
コロナ渦が落ち着いたことに対する期待感とは異なって、3高(高物価・高金利・高為替レート)現象に秋シーズンには異常な暑さまで重なって、さらに悪化している状況。
この冬の売上にオールインはしていますが、前年対比で厳しい市場状況が続いています。
こういった状況の中で、ファッション大手と言われている「サムソン物産ファッション部門」「LF」「HANDSOME」「新世界インターナショナル」「KOLON FnC部門」の5社の業績も苦戦を強いられています。
そのため各社、新規ブランドの育成やファッション以外のライフスタイル・香水などにカテゴリーを拡大するなど、突破口を見出すことに集中しているようです。
10大ニュース⑧大邱~釜山など地方商圏が浮上!
話題のブランドショップやコラボ商品のポップアップストアに行くためには、ソウルに行かなければならないというのも昔の話となりました。
「THE HYUNDAI大邱」「新世界百貨店 大田Art&Science」「釜山 新世界センタムシティ」「ロッテ百貨店 釜山本店」などの地方の百貨店をはじめとして、光復洞(釜山)・東城路(大邱)などの地方の主要商圏を中心に話題のブランドの公式ショップとポップアップストア出店の波が続いているからです。
本当にホットなポップアップに誰よりも早く行くため、ソウルからわざわざ地方に向かう消費者も増えているほど。
この上半期を見ると、「ARKET」「JACQUEMUS」「ALAIA」などのブランドが釜山・大邱地域に初店舗をオープンしましたし、グローバルキャンプライフスタイルブランドである「Helinox」もソウルに続く2番目のフラッグストアを釜山にオープンしました。
特に、「Reebok」はブランドの再立ち上げと同時に最初のフラッグストアをソウルではなく、大邱の東城路にオープンしたことで大きな話題を集めました。
ちなみに、上の写真が大邱の東城路にオープンしたReebokのフラッグストアです。
話題のブランドショップやコラボ商品のポップアップストアが地方都市にオープンしていることは商圏としてもメリットが絶大で、停滞していた商圏に20~30代の消費者が大挙して押し寄せることで商圏自体が生き返るという効果も期待されています。
10大ニュース⑨ファッション業界でKセレブの影響力UP!
Kコンテンツが認知度を上げながら、グローバルでの影響力をますます高めつつある中で、ラグジュアリーブランドではKセレブをミューズ、またはグローバルアンバサダーとして次々と起用しています。
Netflixではグローバルランキング1位を占める韓国ドラマが多彩なジャンルで続々と出てきており、K-POPに関してはビルボードチャートに入るのはもちろん、全世界チャートで上位圏を占めるほど熱い関心を得ています。
そういった流れもあって、自然とKセレブたちのファンもグローバルに拡大し、いつにも増してその地位も高まっているようです。
特にK-POPはグループとして活動する場合が多いのですが、BLACKPINKに続いてNewJeansもすべてのメンバーがラグジュアリーブランドのアンバサダーに抜擢され、大きな話題を集めました。
Kコンテンツに最も熱狂している世代は10~20代の割合が高いので、Kセレブをブランドアンバサダーに起用することで若年層を取り込むという、ブランドサイドの戦略もどうやらあるようです。
10大ニュース⑩インスタに続く、次なるマーケティングツールの担い手は?
ファッション業界では最大のマーケティングツールだった「インスタグラム」。
その影響力が落ちつつあるのでは?という議論が持ち上がっています。
今年はSNSマーケティングの効果が急減し、インスタグラムに支払う広告費用対効果が3~4年前に比べて50%は落ちたというのがマーケターの支配的な意見です。
特に、オンラインでの販売をメインとする中小規模ブランドへの打撃が大きかったようで、体感広告費が2倍に上がったそう。
しかし、インスタグラムはYouTube・TikTokなど他のSNSに比べて効果が高く、インスタグラム広告を諦めることはできないという状況のようです。
ちなみに、YouTubeは商品自体を宣伝する商品広告コンテンツの効果が急下降し、その代案としてブランドイベントのような面白さメインのコンテンツを推し進めている傾向に。
マーケターたちはSNS広告から抜け出して、メディアのような独自コンテンツを補強したり、ポップアップストアをオープンしたりと、新しい代案を模索している状況です。
【まとめ】2023年最も話題を集めた韓国のファッション10大ニュースを総まとめします!
今回は、2023年に最も話題を集めた韓国のファッション10大ニュースを総まとめしましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的には興味のある内容が多かったのですが、「MATIN KIM(마뗑킴)」「MARITHE FRANCOIS GIRBAUD(마리떼 프랑소와 저버)」「Mardi Mercredi(마르디메크르디)」が「3マ」ブランドと呼ばれていることや、オールドマネールックに関しては初めて知ったので勉強になりました。
Kファッション好きの方は今回の記事を参考に、韓国のファッション業界の今を知ってもらえると嬉しいです。
来年は、果たしてトップ10にはどんなニュースが上がってくるのか、楽しみですね!