乙支路「ノガリ横丁」で食べられる⁉︎韓国で愛されるお酒のあて「ノガリ」って何?
乙支路「ノガリ横丁」で食べられる⁉︎韓国で愛されるお酒のあて「ノガリ」って何?
韓国の人たちが愛する定番のお酒のあて「ノガリ(노가리)」ってご存知ですか?
さらに、お酒と「ノガリ」を提供するお店が立ち並ぶエリア「ノガリ横丁」って聞いたことはありますか?
ソウルの中心部「乙支路3街」にありながら、意外とガイドブックに載っていないちょっとディープな場所。
韓国ドラマの影響で、これから日本人観光客に人気が出そうなスポットの一つです。
今回の記事では、「ノガリ」とは何か、そして「ノガリ横丁」とはどのようなところなのかをご紹介します!
「ノガリ横丁」がある「乙支路3街」の街の魅力にも触れているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
ノガリ(노가리)って何?
ここ数年で有名になった「チメク(치맥)」という言葉、韓国好きなら多くの人が知っているのではないでしょうか。
チキンの「チ」と韓国語でビールを意味するメクチュの「メク」をとった言葉で、とりわけ若者を中心にビールとチキンが黄金コンビであることを表現した造語です!
日本でいうハイボールと唐揚げ、「ハイカラ」のようなイメージですね。
一方20代、30代に限らず、幅広い世代が親しむお酒のあてってあるのかな……?
と探していたところ、韓国人の友人に教えてもらったのが、今回紹介する「ノガリ(노가리)」です!
ノガリとは、干し鱈のこと。正確には、スケトウダラの稚魚の干物です。
韓国では、ビールのおつまみとして一般的で、お店によって多少異なるものの1500ウォン(約150円)ほどで食べられるリーズナブルさも人気の秘訣。
地元のリピーターの間では、「ノガリ」とビール、「メクチュ」の頭文字をとって、「チメク」ならぬ「ノメク」という言葉も登場したのだとか。
それくらい、韓国に根付いたお酒のあてなんですね。
ノガリ(노가리)だけじゃない?!状態によって名前が違うスケトウダラ
また、スケトウダラはその状態によって名称が変わるちょっとややこしいお魚。
生:センテ(생태)
凍らせた状態:トンテ(동태)
内臓やエラを取ってやや乾燥させた状態:コダリ(코다리)
長時間乾燥させた状態:プゴ(북어)
凍らせる・溶かすを繰り返し、その後乾燥させた状態:ファンテ(황태)
スケトウダラの稚魚を乾燥させたもの:ノガリ(노가리)
「プゴ」を使った「プゴク」と呼ばれるスープは、酔い覚ましの定番メニューとして、日本でも比較的よく知られています。
「ノガリ」でお酒が進み、「プゴク」で酔いを覚ます。
韓国のお酒文化と深く関わっているお魚が、鱈なのかもしれません。
それにしても、状態で呼び方が変わるなんて……ややこしいですね。
ノガリ(노가리)の食べ方
ノガリを注文すると、店内で炙られた状態で運ばれてきます。
日本でいうスルメのような感覚で、ノガリは手でいただきます!
背中側から持ち上げるように身をはいでいくと、ちぎりやすいです。
運ばれてきた直後はとても熱いことがあるので、火傷には注意してくださいね!
一口サイズに切ったら、一緒についてくるコチュジャン・マヨネーズにつけて食べるのがノガリの大定番!!
このピリ辛ダレがクセになり、生ビールや焼酎によく合うのです。
ヘルシーで低カロリー、さらに「チキンはちょっと胃もたれが……」と密かに悩んでいる皆さまにはおすすめのお酒のあてです。
ノガリ横丁(노가리골목)ってどんなところ?
さて、ノガリはどこで食べられるのでしょうか?
居酒屋に行くと必ずと言っていいほど置いてありますが、ぜひおすすめしたいのがソウルの乙支路3街にある「ノガリ横丁(노가리골목)」と呼ばれる場所。
日中は、韓国によくある一般的な通りという印象ですが、夜になると雰囲気が一変。
お店の外にまで椅子とテーブルがずらりと設置され、「路上ビアガーデン」に様変わり。老若男女問わず多くの客で賑わいます。
私が行った時は、ハロウィン2日前の土曜日の夜だったこともあり、若者でごった返していました!
地下鉄「乙支路3街駅」3番・4番出口の裏路地に位置するノガリ横丁は、以前は印刷所や製紙工場が多いエリアだったそう。
1980年、「乙支OBベアー」という店舗が開業。この辺りで働く労働者をターゲットに、破格でノガリと生ビールを提供したところ他のエリアからもどんどん客が集まるように。
それからノガリを提供する店舗が徐々に増えていき、この一体が「ノガリ横丁」と呼ばれるまでに発展したそうです。
とても残念なことに、「ノガリ×ビール」の組み合わせが初めて登場した店といわれる「乙支OBベアー」は、2022年、40年以上の歴史を持つお店に終止符を打ちました。(2023年3月時点)
一方でノガリ横丁は、2015年に「ソウル未来遺産」に選定され、17年には地域活性化事業区域にも指定されました。
ソウルに住む人たちが未来に残し、伝えたいと願うそんな韓国文化が根付いているのが乙支路3街のノガリ横丁です。
【おまけ】ノガリ横丁(노가리골목)のある「乙支路3街」ってこんな街
ここまでで紹介してきたノガリ横丁のあるエリア、乙支路3街はソウルの発展を牽引してきた産業の中心地といわれています。
ソウル市中区庁で指定された「工具特化通り」、「タイル・陶器特化通り」、さらに「乙支路印刷通り」があり、各通りに町工場や専門店が密集して立ち並んでいます。
そのため、忙しく働く人たちがサクッと食べられる定食やスープ料理を看板メニューとするリーズナブルで美味しい、昔ながらの食堂に出会えるのが魅力の一つです。
一方で、町工場の跡地などを利用した隠れ家的カフェがある乙支路3街は、若者にとってのホットプレイスでもあります。
「えっ、ここがカフェなの?」と思うような雑居ビルに素敵なカフェが入っていたり、老舗の専門店の並びに突然おしゃれな雑貨店が見つかったりと、探しながら歩くのが楽しい場所、それが乙支路3街なのです!
【まとめ】乙支路「ノガリ横丁」で食べられる⁉︎韓国で愛されるお酒のあて「ノガリ」って何?
今回の記事では、韓国の人たちが愛するお酒のあて「ノガリ」(スケトウダラの稚魚の干物)をご紹介しました!
今や日本ではK-POPアイドルや韓国ドラマの影響で幅広い世代に韓国好きが増えてきています。
そんななか、ガイドブックにあまり載っていない、ちょっとニッチでローカルな体験ができるのが乙支路3街にある「ノガリ横丁」!
明洞からも約20分で歩ける距離にあるので、ぜひ次の韓国旅行の行き先に取り入れてみてはいかがでしょうか?