パラサイトだけじゃない! ポン・ジュノ監督の名作まとめ!
今1番話題になっている映画作品といえば「パラサイト」。
韓国映画初のパルムドール、第92回アカデミー賞最多4部門受賞に輝いた話題作です。
日本でもロングヒットとなっている「パラサイト」は、すでに鑑賞した方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「パラサイト」の生みの親、ポン・ジュノ監督のおすすめ作品をご紹介いたします。
殺人の追憶(2003年公開)
華城連続殺人事件という実際に起きた事件がモチーフとなっている「殺人の追憶」。
名もなき犯人を追いかける2人の刑事が主人公です。
「パラサイト」にも出演しているソン・ガンホは、この作品で主演男優賞を受賞しました。
鬼才と呼ばれるようになったポン・ジュノの原点とも言える作品です。
1980年代当時の韓国警察の問題や汚点、事件を追う中で変化していく2人の刑事の「正義」…。
観終わったあといろいろと考えさせられる作品です。
泥臭い印象のサスペンス映画ですが、グロいシーンは比較的少ないので、暴力的な描写が多いポン・ジュノ作品のなかでも足を踏み入れやすい作品だと思います。
グエムル-漢江の怪物-(2006年公開)
突然現れた怪物とある家族の戦いを描いた「グエムル-漢江の怪物-」。
この作品でもソン・ガンホが主演を務めています。
韓国では1,300万人を超える興行記録を残した大ヒット映画となりました。
薬品による環境汚染が原因で生まれた怪物。
在韓米軍が大量のホルムアルデヒドを漢江に流出させた実際の事件をポン・ジュノらしい表現で描いた「グエムル-漢江の怪物-」は、社会風刺的なメッセージがたくさん隠れています。
怪物にさらわれてしまった娘を助けるために奔走する主人公のカンドゥ一家の姿も、今作の見どころ。
環境汚染という社会風刺だけではなく、家族愛も描かれています。
スノーピアサー(2013年公開)
韓国・アメリカ・フランス合作の「スノーピアサー」は、氷に覆われてしまった2031年の世界が舞台。
氷河期となってしまった世界で、生き延びた人々はスノーピアサーと呼ばれる列車のなかで暮らしていました。
階級社会であるスノーピアサーのなかで、貧困層である最後尾車両の主人公、カーティスが理不尽な支配・格差に立ち向かうべく革命を起こそうと計画する…といったストーリー。
列車という限られた世界のなかで起きる反乱、スノーピアサーの謎…ドキドキが止まらない展開は、アクション映画が大好きな人はきっと好きなはず。
少しバイオレンスなシーンも多い作品ですが、スリリングな展開から目が離せなくなる作品です。
ポン・ジュノ作品おなじみのソン・ガンホも出演しています。
母なる証明(2009年公開)
突然殺人の容疑をかけられた知的障害者の息子を守ろうと、自らの手で無実を証明しようと奔走する母親を描いたヒューマンサスペンス。
母親をキム・ヘジャ、息子をウォンビンが演じています。
ウォンビンの兵役後の復帰作1作目でもあり、話題となりました。
「グエムル」では家族愛が描かれていますが、「母なる証明」では息子を想う母親の愛が描かれています。
単なる母と子の感動ドラマで終わらないのは、さすがポン・ジュノ。
この母の愛を偉大だと思うのか、異常だと思うのか…受け止め方が人によって大きく分かれる作品だと思います。
オクジャ(2017年公開)
韓国・アメリカ合作の「オクジャ」は、世界同時配信となったNetflixオリジナルの配信映画です。
ネット配信作品として初めてカンヌ国際映画祭でプレミア上映されたことでも、話題となりました。
「パラサイト」で長男役を演じたチェ・ウシクも出演しています。
食肉用として生まれたオクジャと育ての親である少女・ミジャがこの作品の主人公。
食肉になってしまうオクジャを救うために戦うミジャの勇敢な姿が見どころです。
食産業や動物の命といった人それぞれ違う倫理観がぶつかるさまを、ポン・ジュノがスリリングかつドラマティックに描いています。
個人的に、近未来のおとぎ話のような「オクジャ」の世界観が大好きです。
「パラサイト」はもちろん名作ですが、これまでに公開されたポン・ジュノ作品を併せて観ると、さらにポン・ジュノのすごさや面白さがわかるはず。
韓国のダークな部分も垣間見ることができるポン・ジュノ作品。
まだ観たことがない人は、ぜひ一度その目でポン・ジュノワールドを体感してみてくださいね!