日韓国交正常化60周年|歴史・影響・記念行事を徹底解説
					日韓国交正常化60周年│歴史・影響・記念行事を徹底解説
2025年は、日本と韓国が正式に国交を成立してから60周年の節目の年になります。
第二次世界大戦後、日本と韓国は長い間政治的に距離を置いていましたが、1965年の日韓基本条約が結ばれたことで、経済・文化・観光など幅広い分野で交流が進展していきました。
当時は戦後補償や在日韓国人の地位など多くの課題を抱えていましたが、国交の正常化をきっかけに日本と韓国が協力し合う道が開かれました。
現在ではK-POPやアニメなど文化面での交流も盛んで、若い世代を中心に相互理解が深まっています。
本記事では日韓国交正常化の歴史、日本と韓国にもたらした影響、そして60周年を記念した行事やイベントについてわかりやすく解説していきます。
日韓国交正常化までの歴史

第二次世界大戦後、韓国は日本の植民地支配から解放されました。
しかし、すぐに国交を結ぶことはできず、戦争の影響や歴史認識の違いから、両国の関係は長く緊張状態にありました。
1951年、日本はサンフランシスコ講和条約によって主権を回復し、同じ頃、韓国も国際社会の中で独立国家としての地位を確立します。
こうした流れの中で、日韓の間では国交正常化に向けた交渉が始まりました。
交渉は1951年から1965年まで、実に14年にわたって断続的に続けられました。韓国側が主に求めたのは以下の3つです。
①日本による植民地支配への補償(財産請求権問題)
②在日韓国人の法的地位
③領土問題(竹島/独島)
という3つの課題でした。
一方、日本側は「植民地支配は当時の国際法上合法であり、賠償義務はない」という立場を取り、交渉はたびたび行き詰まりました。
それでも、経済成長を重視した朴正煕政権の現実的な判断により、最終的な合意に至ります。
日本は韓国に対し、無償3億ドル・有償2億ドルの経済協力金を提供しました。
この資金は韓国のインフラ整備や産業発展に大きく寄与しましたが、「賠償ではなく経済協力」とされた点は、現在も歴史認識の議論の的となっています。

国交正常化の背景にある韓国国内政治

引用元:https://www.mofa.go.kr/eng/brd/m_5674/view.do?seq=321175
日韓国交正常化の進展には、韓国国内の政治状況が大きく影響していました。
初代大統領・李承晩(イ・スンマン)政権(1948〜1960年)は、強い反日姿勢をとり、賠償や領土問題で妥協を許さなかったため、国交交渉はほとんど進みませんでした。
その後、民主化の流れの中で誕生した張勉(チャン・ミョン)政権(1960〜1961年)は、交渉再開の意思を示しましたが、軍事クーデターにより短期間で崩壊します。
続く朴正煕(パク・チョンヒ)政権(1961〜1979年)は、急速な経済発展を目指す中で日本からの資金・技術協力を必要としており、現実的な判断として国交正常化を推進しました。
こうして、韓国の政治的安定と経済再建の必要性が、日韓関係改善の大きな転機となったのです。
国交正常化がもたらした経済・文化の影響

引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/japankorea_60/about/
1965年の日韓国交正常化により、両国の経済・文化交流は一気に加速しました。
経済面では、日本企業からの投資や技術提供が韓国の産業発展に大きく貢献。
自動車、造船、電子部品、半導体などの分野で協力が進み、韓国の高度経済成長を支えました。
一方で、日本企業にとっても韓国は新たな市場・生産拠点として重要な存在となり、互いに利益をもたらしました。
また、文化面では韓国ドラマやK-POP、韓国料理が日本で人気を集め、日本のアニメや漫画、ファッションも韓国で受け入れられました。
このような双方向の文化交流は、特に若い世代の間で相互理解を深め、国境を越えた親近感を生み出しています。
観光・人的交流の広がり

引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/japankorea_60/index.html
国交正常化によって、両国間の観光や人的交流も大きく発展しました。
1960年代後半から徐々にビザの緩和や航空路線の拡大が進み、観光やビジネス目的での往来が活発になります。
特に1980年代以降は、学生や若者を中心に留学・語学研修・ホームステイなどの国際交流が増加。
テレビや映画を通じてお互いの文化を身近に感じるようになりました。
現在では、LCC(格安航空)の普及やSNSの発達もあり、短期旅行やイベント参加のために訪れる人が急増。
こうした人的交流は、単なる観光を超えて、国民同士の理解や友情を深める貴重な機会となっています。
日韓の絆は、政治や経済を超えて、人と人とのつながりの中で今も広がり続けています。
日韓国交正常化60周年を記念した行事
2025年の60周年を迎え、両国ではさまざまな記念行事やイベントが予定されています。
「日韓国交正常化60周年」を祝うだけではありません。
・友好と相互理解の促進
両国の市民・若者・学生の交流を増やし、互いの文化や社会を知るきっかけを作る。
言語教育や留学プログラム、観光促進イベントなどを通して、民間レベルでの絆を強化。
・経済・産業連携の強化
貿易・観光・テクノロジー分野でのパートナーシップを推進。
スタートアップ支援、脱炭素・AI・半導体などの先端分野での共同研究・投資を促進。
・文化・芸術交流の拡大
K-POPやアニメ、映画、食文化など、互いのコンテンツを通じて理解を深める。
両国のアーティスト・映画祭・展示会などでコラボレーションを推進。
・歴史認識と平和の対話
戦後の歴史を共有し、教育・報道・市民対話を通じて“過去の教訓を次世代に伝える”こと。
相互尊重の精神で、政治・社会的課題を乗り越えていく土台づくり。
今回の60周年行事は、過去を振り返るだけでなく、これからの50年・100年を見据えて、日韓関係を新たに築いていくための大切な節目となっています。
ここでは、3つイベントを紹介します。

引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/japankorea_60/event/20251130_60th_Anniversary_Japan_Korea_Ties.html
実施時期 2025年10月30日から11月12日(講演会11月9日)
事業名 日韓国交正常化60周年記念!「韓国」に魅せられて!仁位孝雄写真展&講演会
主催名 仁位孝雄(長崎県美術協会名誉会員)
実施場所 日本/長崎県
事業内容 釜山の写真家と共に撮影した「韓国」の写真展及び「対馬と韓国&朝鮮通信使」をテーマとした講演会

引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/japankorea_60/event/20251101_My_Curiosity_and_Yours_about_Korean_Baseball.html
実施時期 2025年11月1日
事業名 室井昌也 ボクとあなたと韓国野球の好奇心2025
主催名 有限会社ストライク・ゾーン
実施場所 日本/東京都
事業内容 日本で唯一の韓国プロ野球専門のジャーナリスト、室井昌也が企画・出演する毎年実施のトークイベント。選手応援歌のライブも。
リンク 詳細ページ(韓国プロ野球応援サイト ストライク・ゾーン)

引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/japankorea_60/event/20251109_Japan_Korea_Exchange_Concert_Vol9_Seoul.html
実施時期 2025年11月9日
事業名 日韓文化交流イベントめぐり逢いコンサートVOL.9 ソウル公演
主催名 一般社団法人めぐり逢いコンサート実行委員会
実施場所 韓国/ソウル市
事業内容 国交正常化60周年を記念し、韓国と日本のマンドリンオーケストラの共演、カヤグムと箏による日韓友好のアンサンブル、日韓両国で活躍中のサムルノリグループの演舞等を実施
ほかにも全国各地で多彩なイベントが開催予定です。
詳しくは外務省の特設サイトをチェックしてみてください。
【まとめ】日韓国交正常化60周年|歴史・影響・記念行事を徹底解説

引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/japankorea_60/index.html
日韓国交正常化60周年は、過去の歴史を振り返るだけでなく、未来に向けた両国の友好関係を再確認する機会でもあります。
経済、文化、観光など多くの分野での交流は、両国の相互理解を深め、地域の安定や国際社会での協力にも寄与しています。
これからも、人と人との交流が積み重なり、日韓の関係がもっと前向きなものになっていくはずです。
日韓国交正常化60周年を機に、日本と韓国の歴史や文化に触れ、これからの友好関係を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?


