韓方って何?漢方との違いや取り入れ方を紹介

「韓方(ハンバン)」という言葉を聞いたことがありますか?
韓方は、韓国で古くから受け継がれてきた伝統医学で、体の内側からバランスを整えることを目的としています。
美容や健康への効果が期待できるとされ、韓国では日常的に取り入れられている習慣のひとつです。
この記事では、「韓方とは何か」「漢方との違い」、そして「旅行中に楽しめる韓方体験」をわかりやすく紹介します。
韓国旅行をグルメやショッピングだけでなく、「体の中からきれいになる体験」でさらに充実させてみませんか?
韓方とは?

引用元:https://japanese.visitkorea.or.kr/
韓方は、2000年以上の歴史を持つ東洋医学をルーツとしながら、韓国独自の文化や生活習慣に合わせて発展してきた伝統医学です。
自然と人との調和を大切にし、「体を温め、流れを整える」ことで不調を改善しようとする考え方が基本にあります。
韓方では症状だけでなく、その人の体質や生活環境を含めて総合的に判断します。
「四象体質(ササンチェジル)」という分類法が知られており、人を大きく4つの体質に分けて、それぞれに合った食べ物や治療法を選ぶのが特徴です。
韓方で使われるのは薬草だけではなく、鍼(はり)、灸(きゅう)、カッピング(吸い玉)、よもぎ蒸しなど、体を温めたり血流を改善する多様な施術があります。
これらはいずれも「巡りを良くする」ことを目的としており、韓国の日常生活に根付いた養生法として親しまれています。
漢方との違いは?

引用元:https://www.docdocdoc.co.kr/
日本でよく耳にする「漢方」と、韓国の「韓方」は名前が似ていますが、実はそれぞれ異なる歴史と特徴を持っています。
それぞれの違いをみていきましょう。
漢方
日本に伝わった中国医学をベースに、長い年月をかけて独自に発展したものです。
処方は比較的シンプルで、症状に合わせて誰にでも同じ薬を出すことが多いのが特徴です。
日本の医師が処方する「漢方薬」は、西洋医学と組み合わせて使われることも一般的です。
韓方
一方で韓国の韓方は、「体質」や「気のバランス」を重視するのが大きな違いです。
体の冷えや熱、ストレス状態などを総合的に診断し、一人ひとりに合わせて薬材や療法を選びます。
そのため、同じ症状でも人によって処方が違うことがあります。
韓国では「韓医院(ハニウォン)」と呼ばれる専門の医療機関が全国にあり、韓医師と呼ばれる国家資格を持つ医師が診察・処方を行います。
診察では脈をとる「脈診」、舌の状態を見る「舌診」などを組み合わせ、体の状態を多角的に把握します。
必要に応じて煎じ薬を処方してもらえますが、旅行者には「診察体験」や「韓方茶の試飲」などライトなメニューも用意されています。
旅行で楽しめる韓方体験

引用元:https://kor.theasian.asia/archives/162817
韓方は専門的な治療だけでなく、旅行者でも気軽に体験できるメニューがたくさんあります。
観光の合間に立ち寄れるカフェやスパ、ショッピング気分で歩ける市場など、韓国らしい雰囲気の中で楽しめるのが魅力です。
ここでは旅行中に体験しやすい韓方の楽しみ方をご紹介します。
韓方茶カフェでリラックス
韓国の街中には「韓方茶」を楽しめるカフェが多くあります。
代表的なのは、甘みとコクがある なつめ茶(대추차/テチュチャ)、爽やかな酸味が特徴の 五味子茶(오미자차/オミジャチャ)、滋養強壮のイメージがある双和茶(쌍화차/サンファチャ)など。
観光や買い物の合間に立ち寄れば、体を温めながらほっと一息つけます。
見た目も美しい韓方茶は、お土産用のパックも人気です。
韓方スパ・エステで体を癒す
よもぎ蒸しや韓方オイルを使ったアロマトリートメントなど、旅行者向けに提供しているスパも多いです。
よもぎ蒸しは下半身からじんわり温めて冷えを改善するケアとして、女性を中心に人気。
韓方エステではハーブや薬草を取り入れた施術が多く、旅の疲れを癒すのにぴったりです。
薬令市で市場散策
ソウルの京東市場など「薬令市(ヤクリョンシ)」と呼ばれるエリアでは、漢方・韓方薬材がずらりと並びます。
ナツメ、甘草、当帰など、見た目にも香りにもインパクトのある薬材が山積みされていて、歩いているだけで非日常感を味わえます。
旅行者は買い物をしなくても、韓国の伝統文化を感じられる観光スポットとして楽しめます。
韓方料理を味わう
食事の中で韓方を体験するのもおすすめです。
代表的なのが 参鶏湯(삼계탕/サムゲタン)。
高麗人参やナツメ、栗などの薬材を鶏と一緒に煮込んだスタミナ料理で、体を内側から温めてくれます。
ほかにも、消化にやさしい薬膳粥や、薬草を取り入れた鍋料理なども人気。
韓方を気軽に「食」で取り入れられるのは旅行者にとって魅力的です。
韓方体験をする際の注意点

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韓方は旅行者でも気軽に楽しめますが、体験内容によっては注意が必要です。
特に薬や施術に関しては自己判断せず、安全に体験することを心がけましょう。
韓方薬は自己判断で買わない
市場や薬令市では多くの薬材が販売されていますが、旅行者が効能を理解せずに購入・服用するのは危険です。
韓方薬は体質に合わせた処方が前提のため、専門家に相談するのが鉄則です。
専門家に相談できない場合は、韓方茶や薬膳料理なら副作用の心配が少なく、気軽に体験できます。
韓医院で診察を受けたいときは事前準備を
韓医院の受診は旅行者でも可能ですが、日本語通訳や英語対応が可能か、事前に確認しておきましょう。
また、海外旅行保険の対象になるかを渡航前に契約内容を確認しておくと安心です。
サロンや施設の衛生管理を確認
スパやエステで韓方トリートメントやよもぎ蒸しを体験する場合は、清潔さが安心のポイントです。
タオルや椅子、鍋などがしっかり洗浄・消毒されているか、道具を使い回していないかを確認すると安心です。
最近はホームページやSNSに施設の写真や動画を公開しているところも多いので、事前に雰囲気を確認しておくと失敗が少なくなります。
体調に合わせて利用する
強い発汗を伴う施術や温熱系の体験は、体調が優れないときには大きな負担になりかねません。
妊娠中や発熱時はもちろん、前日にお酒を飲み過ぎたときや睡眠不足のときも無理は禁物です。
疲れがたまっているときほど「癒されたい」と思いますが、まずは軽めのメニューから始め、様子を見ながら利用しましょう。
ハーブや薬材のアレルギーに注意
韓方で使われる薬草の中には、まれに肌トラブルやアレルギーを引き起こすものもあります。
敏感肌の人は「パッチテストをしてから利用できるか」などをスタッフに確認しておくと安心です。
また、香りが強いハーブも多いため、香りに敏感な人は事前に「香りが苦手な薬草は避けたい」と伝えると配慮してもらえることがあります。
まとめ|韓方で韓国旅行をもっと元気に楽しもう
韓方は、韓国で古くから受け継がれてきた伝統医学でありながら、旅行者でも気軽に体験できる身近な文化です。
漢方との違いを知っておくと理解が深まり、より安心して楽しめます。
韓方茶カフェで一息ついたり、スパでよもぎ蒸しを試したり、薬令市で薬草の香りを体験したりと、観光とあわせて取り入れやすいのが魅力のひとつ。
体を温めてリフレッシュできるので、旅の疲れを癒すのにもぴったりです。
注意点としては、薬や本格的な施術を受けるときは必ず専門家に相談すること。
安全に楽しむために、事前に施設やサービスの情報を調べておくと安心です。
グルメやショッピングだけでなく、韓方を取り入れることで韓国旅行がより深く、健康的で特別な体験になります。
ぜひ次の旅で挑戦してみてくださいね。