韓国でも変化が!「バツイチ(돌싱・ドㇽシン)」への最新の認識を調査してみました!!
韓国でのバツイチへの認識を調査してみました!
皆さんはバツイチというと、どんなイメージがありますか?
日本では今や、バツイチはそれほど驚くことではないという感じの認識ですよね。
バツイチの芸能人も多く、再婚するにしても離婚しているという事はそんなに障壁にならないというイメージかと思います。
それでは、韓国の場合はどうでしょうか?
以前は、離婚している人への認識はあまりよくなかった韓国。
しかし日本同様、その認識は変わりつつあります。
そこで、今回は韓国のバツイチへの認識が変わったきっかけや実際の認識について調査していきたいと思います!
それでは、早速見ていきましょう♪
韓国でバツイチは「돌싱・ドㇽシン」
韓国ではバツイチのことを「돌싱・ドㇽシン」と言います。
この「돌싱・ドㇽシン」は돌아온 싱글(トラオン シングㇽ) の略語。
つまり、「帰って来たシングル」という意味です。
以前は、「이혼남・離婚男」「이혼녀・離婚女」という表現が使われていたようですが、あまりにも直接的でなんとなくマイナスのイメージを抱いてしまいますよね。
そんなマイナスのイメージを取り払ってくれる「돌싱・ドㇽシン」というカジュアルな表現に変わったのも、韓国社会の認識の変化と言えそうです。
韓国にバツイチはどのくらいいるの?
こちらも気になるところですよね。
韓国では、離婚や死別によって「돌싱・ドㇽシン」になる人が増えています。
統計庁が去年の6月に発表した将来世帯推計統計によると、2020年基準で国内総世帯主2,073万人のうち、ドㇽシンは408万人(死別210万人、離婚198万人)に達しました。
つまり、全体世帯主にドㇽシンが占める割合は19.7%で、5世帯のうち1世帯はドㇽシンというわけです。
これだけドㇽシン人口が増えてくると、必然的に社会的な認識も変わりつつあるというのが、韓国社会の現状。
しかも、ドㇽシン人口増加の傾向は今後さらに加速化するものと見られているというから驚きです。
統計庁は2040年にはドㇽシン世帯主が570万人(死別248万+離婚322万人)に達すると予想しています。
全体世帯主にドㇽシンが占める割合も23.9%で、つまり約20年後には4世帯のうち1世帯がドㇽシンになるというわけです。
離婚理由にはどんなものがある?
再婚専門の結婚相談所オンリーユーが結婚相談所のビエナレと共同で、全国の再婚希望ドㇽシン男女516人(男女それぞれ258人)を対象に行ったアンケート調査結果によると、ドㇽシン女性は結婚生活を営んでいた時、配偶者を職場の上司のように感じていたケースが多いことが分かりました。
質問内容は「元配偶者との結婚生活の中で自身と相手の関係を比喩的に表すことができる最も適切な表現は何でしょうか?」で、この質問に女性は3人に1人(33.3%)が「(職場の)上司と部下」と回答。
その次に「同業者(27.1%)」、「客と店員(20.6%)」、「学校の先輩・後輩(13.2%)」の順となりました。
男性の場合は「同業者(34.1%)」、「学校の先輩·後輩(28.3%)」、「職場の上司と部下(20.2%)」、「客と店員(11.2%)」の順に。
上下関係を表すような関係性が多く、「恋人」と答えた割合は女性が5.8%、男性が6.2%に過ぎなかったそうです。
また、「元配偶者との結婚が破綻に至ったのは、相手の結婚に臨む姿勢上どんな問題があったからだろうか」という質問に対しては、男女間で違いが。
男性の場合は「敵のように接された」と答えた割合が3人に1人の割合となる33.2%となりました。
続いて「不平不満を日常的に言われた(28.9%)」、「心を開いてくれなかった(23.3%)」、「自分の味方ではなかった(14.6%)」などが続く結果に。
女性の場合は36.8%が「自分の味方ではなかった」と回答し、「心を開いてくれなかった(30.8%)」が2位となりました。
続いて、「不平不満を日常的に言われた(19.4%)」、「敵のように接された(13.0%)」がそれぞれ3、4位に上がりました。
男性と女性で全く逆の回答結果になっていますね!
ちなみに、相手に不満があった時どう表現するかに関しては、男性は「その都度ストレートに」伝える人が多い一方、女性の場合は「ため込んで一気に」伝える人が多いようです。
「男性はあまりにもストレートに表現し、女性は我慢して一気に爆発させ、それぞれ相手に深い傷を負わせる場合が多い」とのことで、これは日本の場合も似ているかもしれませんね。
男性は元妻の幸せを願う一方、女性は・・
ドㇽシン男性は「元妻が良い男性に出会ったら、幸せな結婚生活を送れるだろう」と肯定的に評価している一方、女性の場合は「元夫はどんな女性に会っても幸せにはなれないだろう」と否定的な見解を示していることが分かりました。
こちらもまさに男女で全く逆の見解!興味深いですね~。
「元配偶者の生活態度などから見て、元夫(元妻)と幸せな結婚生活を営む異性はどれくらいいると思いますか?」という質問に対して、男性は回答者の59.3%が肯定的な回答を選びましたが、女性は62.0%が否定的な回答をしました。
その理由として「元配偶者との結婚生活が大変だった最も大きな理由」を尋ねると、男性が「夫婦調和上の問題(33.3%)」と答えた割合が最も多い一方、女性の場合は「相手に問題があった(34.1%)」と答える人が最も多い結果となっています。
男性の場合は特定個人の問題というよりは、性格や生活態度などの違いから始まったという意見が多かったですが、女性は元夫に問題があったと特定する回答が多く、これも男女間の違いなのでしょうか・・
「돌싱・ドㇽシン」への認識変化にはテレビ番組の影響も
ドㇽシンをテーマとしたコンテンツが人気を集めており、そのことも離婚に対しての認識変化に一役買っています。
昨年放送されたテレビ番組『우리 이혼했어요・私たち離婚しました』は韓国社会でタブー視されていた単語である「離婚」を前面に掲げ話題となりました。
そして特に人気のプログラムが『돌싱글즈・ドㇽシングㇽズ』!
離婚経験のある男女が、離婚の痛みを抱えつつも新しい愛を見つけるために繰り広げる恋愛リアリティ番組で、「離婚」ではなく「ドㇽシン」という単語を前面に出しながら、若いドㇽシンたちのリアルな恋愛模様を見せてくれます。
ちなみに、昨年放送された『ドㇽシングㇽズ3』は、1話当たりの平均再生数が111万ビューを記録したとのこと。
なんとこの数字は、未婚の男女が出演する似たような恋愛リアリティ番組の2倍を超える数値だそうです。
現在、Netflixで配信中の『ドㇽシングㇽズ4』も話題となっていて、NetflixグローバルTVショー部門で韓国芸能2位を記録しました。
特に、香港とシンガポールでの人気が高いそう。
私もドㇽシングㇽズを見ていますが、感じたのは彼らの離婚理由が千差万別ということ。
以前は離婚の理由について「性格の違い」と遠まわしに説明することが多かったようですが、こういったプログラムに出演している人々は育児・嫁姑関係・経済問題など具体的な葛藤事例を説明しています。
ドㇽシングㇽズのプロデューサーは『出演者たちに会って話を聞きながら結婚について知らないことを多く知ることになった。 視聴者たちも経験したことのない、あるいは今後経験するかもしれない結婚生活についての話を扱うという点で、番組を新しく感じているようだ」と話しています。
確かに、番組内で出演者たちのリアルな話を聞くことで、「そういうことも起こり得るんだな」と他人事ではないような感覚を覚えます。
こういった番組を通して、離婚ということが誰にでも起こり得るんだと感じることが、離婚に対する認識の変化を生んでいるのかもしれません。
離婚への認識変化は数値でも明らかに
離婚への認識変化は結婚相談所のDUO(ヂュオ)が昨年発表した「婚姻・離婚認識報告書」でも見ることができます。
DUOが未婚男女1,000人を対象にアンケート調査を実施した結果、「離婚について肯定的に考えている」と答えた回答者は55.3%にも達しました。
「否定的だ」と答えた割合は7.9%で、前年よりも低い数値となりました。
そして、ここ10年間で「離婚はダメ」ではなく、「理由さえあれば離婚し得る」と考えるMZ世代の比重が上回ってきています。
同棲には肯定的、しかし結婚・出産には否定的という比重も増加傾向に。
統計庁が8月に発表した「青年の意識変化調査」では19~34歳の若者を対象に結婚・出産・労働などのイシューと関連したここ10年間の価値観の変化を追跡しています。
いわゆる「MZ世代の意識変化」を調査しているわけですが、中身をご紹介しますね。
報告書によると、MZ世代の離婚・同棲に関する認識は、過去よりも前向きに変わっています。
「理由があれば離婚し得る」と答えた比重が、2012年の13.1%から昨年は24.1%に増加。
反面、「理由があっても離婚はダメ」と答えた比重は、同期間で38.5%から4.9%に減少しました。
2018年から両回答に対する比重が逆転をし、「結婚していなくても同棲はあり」と答えた比重も同期間で61.8%から80.9%に増えています。
そして、再婚に対する考え方も自由な雰囲気に。
「再婚してもしなくてもどっちでもいい」と答えた比重は2012年の67.5%から76.3%と着実に増えています。
反面、「再婚しなければならない」や「再婚した方が良い」と答えた比重は同期間で18.5%から4.7%に減少しました。
今や新婚夫婦の5組に1組はドㇽシンカップル!?
統計庁によると、全国婚姻件数は2019年は23万9,000件余りで、それが2021年には19万3,000件余りと着実に減少しています。
しかし、全体婚姻件数が減っている中で、それでも20万件程度の婚姻件数を維持できているのは再婚比率が高いからだというのがウェディング業界の説明。
女性家族部が昨年発表した「2022 統計で見る男女の人生」によると、2021年に結婚した新婚夫婦のうち、男女ともに再婚だったり、どちらかが再婚であるケースは全体の22.2%を占めたそうです。
つまり、新たに結婚するカップルの5組中1組は「ドㇽシン」だということ。
結婚相談所のガヨンの関係者によると『以前は再婚に対して恥ずかしがる雰囲気だったが、今は日常の中の寂しさに対する憂慮や、将来互いに世話をしてくれる配偶者を探す積極的なドㇽシンが増えている傾向だ』と話しました。
他には、子供たちが独立した時に、離婚したり死別した親のためにこっそりと結婚相談所を訪ねて加入するケースなんかもあるそうです。
結婚相談所を訪れる20~30代の若いドㇽシンも増加
結婚相談所を訪れる20~30代の若いドㇽシンも増えています。
結婚相談所のガヨンで16年間相談を進めてきたカップルマネージャーは『7年前頃までは、ドㇽシンのうち30代半ばの顧客はあまりいなかった』と話しています。
以前は、ほとんどの顧客が40代以上だったそうですが、最近はドㇽシン顧客の多くが20~30代とのこと。
カップルマネージャーによると、ドㇽシン顧客の大半は外見や経済能力よりかは自身と生活パターンが似ているパートナーを探すそう。
離婚を通して、自分のことをより深く知ることが出来たからこそ再婚を通じて幸せを取り戻す方も多いとのことで、痛みを知っているからこそ相手のことを思いやれるという面もありそうですよね。
また、再婚市場が大きくなったことによって、結婚相談所では再婚専門のサービスを提供する会社も出てきました。
結婚相談所のDUOでは再婚特化専門サービスである「remarry」を運営しており、顧客ニーズを反映した再婚マッチングプログラムを提供しています。
再婚の場合、初婚とは異なって子供の有無や養育権・財産分与・離婚理由など多様な要素を考慮しなければならないため、配偶者を探す条件が初婚よりも厳しい場合が多いのが事実。
そういった事情もあり、DUOでは徹底した身元認証がなされた会員だけが活動できる再婚専門サービス「remarry」を運営しています。
このサービスでは職業・学歴・性格・所得・子供の養育および離婚・死別経験までを考慮した顧客オーダーメイド型のマッチングを通じて満足できる出会いの機会を提供しているそうです!
現職のDUOカップルマネージャーは『再婚会員の大部分が離婚経験をベースにより良い相手を探すための努力をしているが、職場生活を並行しているため出会いの幅が狭くて困っている。DUOで結婚専門家のコンサルティングを土台にして新しい縁に出会うことができれば、再婚成功確率ははるかに高くなるだろう』と話しています。
ちなみに、以前は「再婚」というレッテルが恥ずかしくて結婚式をしなかったり、家族の集まり程度で終わらせる場合が多かったそうですが、離婚に対する認識の変化もあり、気にせず堂々と結婚式を挙げるドㇽシンも増えているそうです。
【まとめ】韓国でも変化が!「バツイチ(돌싱・ドㇽシン)」への認識を調査してみました!!
今回は、韓国での「バツイチ(돌싱・ドㇽシン)」への認識変化をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
若い世代を中心に離婚やバツイチへの認識が変わり、再婚などにも抵抗がなくなっているというのは、良い兆候ですよね。
やはり、それぞれ様々な理由があって思い悩んだ結果、離婚に至っているという背景があると思うので、単に「離婚はダメ」というのではなく、そういった事情も推し量れるようになったという点では、テレビ番組の功績は大きいですね。
皆さんも機会があれば、ぜひ韓国の「バツイチ(돌싱・ドㇽシン)」番組をチェックしてみてください♪