【メドゥプ】結び方で意味がちがう?韓国の伝統組み紐「メドゥプ」って何?
【メドゥプ】結び方で意味がちがう?韓国の伝統組み紐「メドゥプ」って何?
韓国の伝統工芸品で知っているものはありますか?
白磁など白を基調とした器は有名ですよね。
仁寺洞や三清洞エリアでカラフルな布製品を見かけたことがある人もいるかもしれません。
今回は、美しい伝統工芸品の中から「メドゥプ」をご紹介します!
チマチョゴリにはもちろん、ストラップやアクセサリーなど様々な場所で使用される組紐、メドゥプ。
その魅力をたっぷりお伝えします。
韓国の伝統工芸品、メドゥプ(매듭)って何?
「メドゥプ(매듭)」とは、韓国古来から伝わる「組み紐」のことです。
ソウルの仁寺洞や三清洞の韓屋リノベーションのお店などで飾りとしてかかっているのを見たことがある人もいるかもしれません。
お土産として実際に手に取ったことがある人もいるかもしれませんね。
メドゥプは古くから、韓国の王族や貴族の部屋や服装、贈り物など、装飾するものとして使われてきた伝統工芸品です。
メドゥプは、装飾品であると同時にお守りの意味もあります。
込められた意味は紐の組み方や長さなどによって違い、日本のお守りと同様に健康を祈願するものや厄除けのために作られたものもあります。
チマチョゴリの胸元に付ける「ノリゲ」とよく間違われますが、ノリゲは飾りのことを指します。
ただ、ノリゲにはメドゥプ(組紐の部分)が使われることが多いので、今度目にした時には意識して見てみてくださいね。
最初は上流階級の装飾品 メドゥプの歴史
韓国の文化は中国からの影響を大いに受けてきましたが、メドゥプも中国で伝わる飾り結びの影響があると言われています。
三国時代に韓国へ伝わったのが始まりだと言われており、当初は上流階級の人たちが使う装飾品として親しまれていました。
メドゥプ作りといえば、本来は糸の染色から始めていました。
中国の組紐は、複数人で分担して仕上げていくことが多い中、韓国のメドゥプは糸の染色から組紐の工程まで全て1人で完結します。
今でこそ、染色された美しい紐が豊富なので、それらを購入して組紐だけを楽しむ人も増えています。
一般の人に普及するにつれて、装飾品を超え、カバンなどの小物や身に着けるアクセサリーとして使われることが多くなり、今さらにメドゥプが発展してきています。
また、中国の組紐はピンやボードなど道具を使いながら編んでいきますが、メドゥプは、手の指のみで結っていくのも特徴です。
ここからも、韓国国内で独自の文化として発展してきたことが分かります。
色々ある!メドゥプの結び方
メドゥプは結び方がたくさんあり、それぞれ込められている意味が違います。
数えきれない結び方がある中で最も代表的な結び方をご紹介します。
菊の花結び
最もポピュラーでよく見かける結び方が「菊の花」のメドゥプ。
菊結び目は、伝統的に宮中で多く使われてきた形で、幸運と身の回りの安全祈願の意味が込められています。
蝶結び
蝶の結び目は華やかなデザインで、チマチョゴリの胸元につけるノリゲとして使用されることが多いです。
花を見て蝶が蜜を吸いに来ることから、夫婦円満や子宝祈願の意味が込められています。
さらに、蝶は「変身」の象徴として新しい生活も意味します。
人生の節目に贈る贈り物の装飾品にもしばしば使用されます。
ひよこ結び
2本の菊の結び目の両側に「生」の結び目を結んだメドゥプ。
朝鮮時代に受難に打ち勝つ、と信じられてきたひよこをモチーフにしたデザインで古くには、戦争に行く男性に手渡されていたと言われています。
梅結び
梅は高潔さ、清潔さの象徴であり、華やかで美しいのが特徴です。
平べったい梅の結び目をおとなしい女性の印象に例え、チマチョゴリを着用する時のノリゲ等装飾品によく使われるメドゥプです。
メガネ結び
名前の通り、メガネ屋さんの紐でしばしば使われていた結び方だと言われています。
この結び方自体がデザインとなる時もありながら、結びと結びの間に区切りとしてメガネ結びを使ったり、ノリゲの頭部分(胸元の紐につけるための輪っかの部分)に使ったりと実用性も兼ね備えた結び方です。
伝統メドゥプの見学や手作り体験も!東琳(동림)メドゥプ博物館
韓国ソウル、三清洞エリアにある東琳(동림)メドゥプ博物館は、伝統メドゥプを後世に伝えることを目的に、メドゥプ作成体験講座はもちろん、専門家の育成や研究などを行う施設です。
朝鮮時代に実際に宮中でメドゥプを作っていたという大伯母からの技術を受け継いだ、沈館長をはじめとして2004年4月に設立され、メドゥプはもちろんノリゲなどさまざまな装飾品が展示されています。
展示品の見学だけでももちろん可能!韓屋の伝統家屋に並ぶ貴重な作品は見入ってしまうこと間違いありません。
習い事として週に何度も通うコースをはじめ、観光客向けに1日メドゥプ作成体験も提供しています。
自分の作った作品を思い出に持ち帰ることもできるので、参加してみるのも楽しいですよ♪
【まとめ】【メドゥプ】結び方で意味がちがう?韓国の伝統組み紐「メドゥプ」って何?
今回の記事では、韓国の伝統工芸品の1つ、「メドゥプ」をご紹介しました。
古くから美しい装飾品として親しまれてきたメドゥプが今もアクセサリーやK-POPアイドルの衣装など、普段から目にする場所で楽しまれているのは素晴らしいことですよね。
結び目のデザインは昆虫や動物をモチーフとしたものも多く、実に様々です。
CLASS 101(講座に申し込むとまるっと必要な準備物も届く韓国で人気のオンライン習い事プラットフォーム)など、韓国の現代メドゥプクリエイターのクラスを自宅にいながら受けられるプログラムもあります。
細かい作業が得意な人は、一度チャレンジするとハマってしまうかもしれません!